読む本のジャンルが偏ってしまうあなたに - 詩歌編
皆さん、こんにちは
takataroです。
本は読むけど、なんだかジャンルが偏りがち。
新しいジャンルの本に挑戦してみたいけど、何から読んでいいのかわからない。
こんな悩みをお持ちの方はいませんか?
このコラムでは、特定ジャンルの本を一冊ずつ取り上げて紹介していきます。
読書の幅を広げるのに少しでもお役に立てるよう情報を共有していきたいと思います。
今回は詩歌。その中でも俳句を取り上げます。
皆さんの俳句との出会いはいつでしたか?
私は、小学校の夏休みの宿題でした。
そういう方結構多いのではないでしょうか?
もうまったく記憶にないのですが、恐らく事前に先生から、俳句の作り方のレクチャーがあったと思います。
私は、とにかくこの俳句を作るという宿題が苦手でした。
基本五・七・五におさめ、季語を入れるといった制約も、その意識をより強くしていました。
迫り来る夏休みの終わり、まったく思いつかない俳句、焦る毎日。
とにかく私の俳句との出会いは、最悪でした。
年月が経ち、そこそこいい大人になった中で、その俳句への認識を大きく変える本と出会います。
その本とは、
せきしろ×又吉直樹『カキフライが無いなら来なかった』幻冬舎文庫
です。
タイトルに惹かれ、何気なく手に取った本。
五・七・五の形式にしばられない、自由な韻律で作られる自由律俳句。
まさか本のタイトルまで俳句だったとは。
この俳句の季語は、カキフライなのか?カキフライって夏?冬?季節はいつ?
私は、衝撃を受けました。
今まで私の思ってきた俳句は何だったのだろう。
字余り何て犯してはいけない罪だとまでに考えていました。
こんな型破りに作っていいものなんだ。
せきしろさんは作家、又吉直樹さんは芸人兼作家。この本は、せきしろさんから又吉さんに声をかけ(厳密にはせきしろさんの後輩の作家に場をセッティングしてもらったらしい)、二人でやりとりをしていくうちに、多くの句が蓄積されて、書籍にしようとなったものみたいです。
基本的には句が中心で、時々その句にまつわるエッセイが書かれています。
個人的に印象に残った句を、いくつかご紹介します。
この本を読んでいて気づいたのは、一つ一つの句が、作者がふと感じたことや印象に残った光景を切り取って作られていること。
作者の二人みたいに、センスある表現や切り取り方はできないかもしれないけど、これなら自分にも作れそう、作ってみたいと思いました。
小学校の頃の自分に、俳句はまず自分が印象に残ったことや感じたことをとりあえず文章にしてみる、そしてその後で表現や順番を変えて五・七・五の形に近づけていけばいいんだよと教えてあげたいです。
でも、今更かもですが、そのことに気づけて良かったと思います。この本に感謝です。
興味がある方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?