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【FF16クリアレビュー】自分には合わなかった。不満点はたくさんあるが、高水準なゲーム(ネタバレなし)
今回は、2023年6月22日に発売されたファイナルファンタジーシリーズのナンバリング最新作である「FINAL FANTSY 16(ff16)」のレビューをネタバレなしでしていく。とても長いレビューになってしまったので、気になるところだけをピックアップして読むスタイルでも大歓迎だ。
自分のこのゲームに対する評価を一言で表すと「不満点はたくさんあるが、高水準なゲーム」といったところだ。ストーリーを省いたら85点、ストーリー込だと50点をつける。高水準だがそれを邪魔する要素が多いというか、極端に良い部分と悪い部分が混在している 評価に困るゲームだ。初めてFFを遊ぶ人にはオススメできるかもしれない。
ただ一つだけ言えることは、私はこのゲームを気に入ることができなかった。なぜならFFとして今作を見たとき、問題点が多いからだ。そのため、この記事はどちらかというとネガティブな話が多くなってしまうと思う。そこは注意していただきたい。
このゲームに対する発売前の期待
私はこのゲームの発売を心の底から楽しみにしていた。FFの大ファンということもあるが、単純に事前のPVから感じられる雰囲気が、ダークファンタジー好きの自分にとってドンピシャだった。またゲームや映画のようなエンタメの作品で、現実の社会問題を描くような作品が大好きだった私は、奴隷・差別・エネルギー戦争などをテーマとして扱っている今作に本当に惹かれていた。
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こんな自分にドンピシャなテーマや世界観を、自分の大好きなFFで、しかもFF14を見事に建て直した吉Pが作ってくれるのは期待しかなかった。発売前の公式の生放送やインタビューは隈なく見たし、PVは毎日のように見てワクワクしていた。
だが結果として自分の中でこの作品への評価は低い。ここからはこのゲームの評価を項目別で見ていく。
最高のBGM👍
今作で一番気に入ったのはBGMだ。祖堅正慶さんが作る曲に触れるのは今作で初めてだったのだが、本当に素晴らしすぎて大ファンになった。ゲームのシーンや世界観に一曲一曲がマッチしていて、頭に残るようなメロディーも多かった。全体的にクラシック風の音楽が多くて、そこにコーラスが入ったりする。とにかくカッコイイ曲が多く、ゲームを遊んでいる側のテンションをブチ上がらせてくれる。特に気に入った曲は、バハムート戦で流れる「Ascension」と、クライブのテーマ曲でもある「Find the flame」だ。
ゲームを評価する際、どうしてもバトルやストーリーに目が行きがちだが、BGMがゲーム体験を何倍も底上げしてくれることに改めて気付かされた。歴代FFの中でもベスト3に入るくらい良かった。
美しく、細かいグラフィック👍
グラフィックに関しては流石ファイナルファンタジー、とても綺麗だった。最近のゲームは色を鮮やかにして綺麗に魅せているゲームが多いが、このゲームは色のトーンを抑えた淡い色合いのグラフィックだった。これが落ち着いた雰囲気を醸し出していて非常に良かった。
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また、草木や土などのグラフィックは非常に細かく描かれており、荒れ狂う海の波や木が生い茂る森の表現には、特に感心した。
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メインキャラクターの作りも非常に細かく、表情や仕草へのこだわりが凄かった。純粋に喜んでいる顔と少しだけ微笑んだ顔、怒りに満ちた顔と少し不機嫌な顔、のように同じ表情でもシーンによって使い分けしてあり、キャラの表情から感情を読み取ることができるくらい作り込まれていた。他のゲームにはないリアルさがあったと思う。
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暗すぎる👎
本当にマップが暗すぎる。何があったんだと問いたいくらい暗い。「暗い」といっても、このゲームは2種類の暗い問題を抱えている。
①ロケーションが暗い
とにかく暗いステージが多い。作風的に暗い場所が多くなるのは分かるのだが、暗さの中に美しさがない。まだダンジョンが暗いのは分かるのだが、フィールドまでゲームの中盤から曇りになって暗くなる。(終盤は空が紫がかり、更に暗くなる 笑)
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何よりも許せないのが、このゲームの晴れの表現は本当に綺麗なのだ。にもかかわらず、ゲーム内で晴れているのは序盤〜中盤までなのだ(途中で天候が曇りに固定される理由は全く分からない)。
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しかも、このゲームの都合上 サイドクエストやモブハントなどの寄り道要素がゲームの後半に固まっているため、暗くなったフィールドでプレイする時間が自然と多くなってしまうようにできている。これも「暗い」という印象を助長させる大きな要因になっているし、「ロケーションに乏しい」という別の問題も引き起こしている。
アップデートで一刻も早く、天候変更オプションを追加してほしい。
②画面が暗い
文言の通り単純に暗い。暗くて視認性がとにかく悪い。レベル感としては、ゲームプレイに支障が出るギリギリ手前のレベルといったところだろうか。私はゲームを作ったことがないので何とも言えないのだが、暗いエリアでもライティングの工夫などで視認性は担保して欲しかった。せっかくの綺麗なグラフィックが勿体ない。
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豪華な召喚獣合戦👍
このゲームが最も売りにしていた部分は召喚獣合戦だと思うのだが、これは最高だった。綺麗なグラフィックで巨大な召喚獣が暴れ回り、色々なオブジェクトが崩れたり飛び散ったりする。
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PS5の性能をフルに生かした豪華な体験をすることができた。召喚獣合戦には各合戦のテーマがある。例えば、この戦いはプロレス、この戦いは拳のぶつかり合い、といった具合だ。このように同じ召喚獣合戦でも明確にテーマ分けがしてあることで、強烈に記憶に残る良い効果を生み出していた。
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また、召喚獣合戦がゲームの後半になるにつれて、映画的な視るゲームプレイから ボス戦のような本格的なゲームプレイに変化していくのも良かった。最後の方は相手の攻撃を見極めて避けたり、召喚獣のときだけ使える技を駆使して戦う本格的なアクションゲームになっている。それに加えて、アクションゲームの中に急にシューティングゲームが出てきたりするなど、プレイヤーを飽きさせないように工夫されている。
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世間では「召喚獣合戦が長過ぎる」と言われているが、これだけ凄い戦いを何十分も見れるのは感謝しかなかった。
召喚獣合戦のノリは少し気になった👎
一方で少し気になった点もある。それは召喚獣合戦のノリだ。私は発売前のPVから、今作は召喚獣を "暴走しだしたら止まらない恐ろしい兵器" のように描くと思っていた。実際物語の序盤の方の召喚獣合戦(タイタンvsシヴァ、イフリートvsガルーダ、オーディンvsバハムートなど)は、召喚獣同士がぶつかり合う残酷さや、それによって多くの兵士が巻き込まれる描写を入れることで、強力な召喚獣の前では人間なんて何もすることができない絶望感・無慈悲さのようなものを描いていた。
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「召喚獣は呼ぶと一緒に共闘してくれるカッコイイ存在」という従来のFFのイメージとは違い、「もし現実に召喚獣がいたら怖すぎるよな」とプレイヤーに抱かせる感じが、とても気に入っていた。
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だが、物語の中盤辺りから一変してしまう。召喚獣が「くそ!」、「させるか!」、「うぉ〜!」みたいな感じで話し始めるのだ。攻撃手段も、最初は相手を踏みつけたり、腕をもいだりするなどして、相手を本気で殺しにかかる死闘感が満載だったのに対して、途中から「ライダーパンチ!」、「ライダーキック!」みたいな特撮のノリに変わってしまう。PVで見ていた召喚獣合戦とは全く雰囲気が違うのだ。これは好みの問題だと思うが、私は安っぽく感じてしまったし、グラフィックがリアルで渋いだけに特撮的なノリはミスマッチのように感じた。
ただ、召喚獣合戦自体は非常にリッチなので、ぜひ体験してほしい。
色々省かれたゲームプレイ👎
今までのFFにあったマップ探索や育成要素が無くなってしまっているのは非常に残念だった。正確に言うと、存在はするが死んだも同然なのだ。
例えばマップ探索だ。このゲームには4つの大きめなエリア制マップがある。マップ自体はそこそこ広く、景色も綺麗で(晴れていれば)最初は気に入った。
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ただ何も探索するメリットがないのだ。アイテムがある程度は配置されているのだが、換金アイテムや使い物にならない物ばかり落ちている。ロケーション探しなどマップを生かしたアクティビティも全く無いので、ただ通り過ぎるだけのスカスカのマップになってしまっている。
育成要素も死んでいる。スキルパネルはあるのだが、ストーリーが進むに連れ開放される形式で、数もさほど多くないので、自分なりの戦闘スタイルを確立するようなことはできない。武器・防具・アクセサリもあるが、特別な効果や尖った性能の武器はなく、ただ攻撃力や防御力が上がるだけだ。「この武器強い特殊効果付いてるけど、あっちの武器のほうが攻撃力が高い。どうしよう…」とか「この武器の弱点を補うために強化しよう」とか そういう遊び要素がない。
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レベルの概念はあるが、レベルが上がったからといって強くなった実感は全く無く、画面左上に映っているただの数字だ。
他にも多くのゲームプレイ部分が省かれてしまっている。色々な要素が省かれた分、考えることも減り、難易度も下がり、ゲームを遊んだことがない人にも受け入れられやすくなったのかもしれない。しかし、ゲームとして大切な何かを失ってしまっている。残念で仕方がない。
爽快感はあって楽しいが、奥深さに欠ける戦闘👍👎
戦闘は爽快感たっぷりで良かった。キャラクターのレスポンスが良く、自分の思い通りにキャラクターが動いてくれるので、操作しているだけで楽しいようにできている。
このゲームの戦闘は通常攻撃の他に「召喚獣アビリティ」という、召喚獣の力を手に入れることで使えるようになる技がある。技の数こそそこまで多くはないが、一つ一つ丁寧に作り込まれている。この技は遠距離攻撃に対処する用、この技は敵の攻撃に反撃するカウンター用、この技は高火力で蹴散らす用、のように差別化されていて、どの技も強く魅力的にできていた。「この技の後にこの技だと上手く繋がるな」、「敵が単体でも複数でも対処したいから単体攻撃技と範囲攻撃技の両方を装備しておこう」など、技の組み合わせやタイミングを考えるのも楽しい。
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技のエフェクトは派手(一部の技は派手過ぎて視認性に問題あり)で綺麗だし、効果音も気持ちの良い音が多くて、こだわりを感じることができた。とにかく、キャラの動きが格好良くて映える戦闘なのは間違いない。
しかし、中盤あたりで飽きが来た。その理由はゲームの最初からラスボスまでやっていることが全く一緒だからだ。
通常攻撃と魔法を組み上げながら相手のウィルゲージを削っていく
↓
ウィルゲージを全て削り切ると敵がテイクダウンし大ダメージを与えられるので召喚獣アビリティを使って一気に畳み掛ける。
この繰り返しなのだ。このシステム自体は楽しいが、これしか攻略のバリエーションがない。いつものFFのように属性ジャンケン(氷属性の敵には火が効く みたいな)があれば、敵を弱点属性で攻めるような工夫ができるが、今作は属性システムを廃止している。ソウルライクのアクションゲームのように敵の動きを覚えて攻撃を避ける楽しみがあれば良いのだが、アクション初心者に配慮された今作の戦闘では、その楽しみ方はできない。これらが原因でバリエーションに乏しく、奥深さに欠ける戦闘になっていると感じた。
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今作はストーリー、マップ移動、やりこみ要素など何をするときでも戦闘を高頻度にする戦闘中心のゲームだ。ならばそれに耐えられるくらい奥深い戦闘を用意してほしかった。
素晴らしい演出👍
ストーリーでの演出は映画クオリティの出来だった。ゲーム特有の説明臭いセリフが少なく、多くを語らずにプレイヤーに感じさせる演出が多かった。これのおかげで分かりづらくなっている部分もあるといえばあるのだが、キャラの過去や表情・身分・状況などから、そのシーンについて考えられる余地が残してあるは素晴らしかった。
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「最初はぼーっと見ていたシーンだったが、後から考えてみるとそういうことだったのか!」となることも何度かあり、後からジワジワと感動が来る感じが心地よかった。
両極端なサイドクエスト👍👎
正直、このゲームを評価するうえで、サイドクエストの評価に一番困った。何故なら、メインクエスト並に良くてきた120点のサブクエと、「何年前のゲーム?」と疑いたくなるような30点のサブクエが混在しているからだ。
120点のサブクエに関しては、本当に素晴らしかった。メインクエストの話により厚みをもたせるサブクエがゲーム後半にあり、ムービー付きの豪華な仕上がりだった。FF16で1番の感動して泣きそうになった場面がサブクエだった。
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このサブクエをやることで、ラスボス戦に挑む前のプレイヤーの感情を高ぶらせてくれるので、やるとやらないではストーリーの評価を左右するほどだ。それ以外にも、FF16の世界の残酷さを描いたショッキングな話や、2つのクエストが繋がることで1つのストーリーが出来上がるものだったりと、おもしろい試みのものも多かった。
対して30点のサブクエは、個人的には非常に退屈だった。「世界を救おうとしてる革命軍のリーダー(主人公)にやらせる仕事じゃねぇだろ。そのくらい自分でやれぃ!」みたいなサブクエが多過ぎる。
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主人公には拠点があり、そこの拠点に大勢の住人がいるのだが、命賭けた戦いから生還した主人公に対して「お疲れ様」の言葉もなく、自分で話に行けばいいのに「誰々に話してきて欲しい」、自分で取りに行けばいいのに「何々を3つ取ってきて欲しい」…これほどゲームでNPCに嫌悪感を覚えたのは初めてかもしれない。
今作はサブクエの数が多いことを考えると、数より質をとったサブクエの作り方をしてほしかった。
ツッコミどころが多過ぎるストーリー(ネタバレなし)👎
ここまで様々な不満点を挙げてきたが、そのくらいは許容するスタイルで今作を遊ぼうと思っていた。何故なら、発言前の数々のインタビューで開発陣の方たちが「今作は何よりもストーリーに力を入れた」と何度も強調して言っていたからだ。そのため、ストーリーにコストをかける分、ゲームプレイ部分(戦闘、育成、マップ探索など)はある程度は犠牲になることは覚悟できていた。
だが、今作の1番の不満点がストーリーになってしまった。正直、今作のストーリーは普通の中の普通だ。一般のゲームなら私もここまで文句は言わない。だが、開発陣の発言や、自分がFFに対して一番求めているものがストーリーということもあり、過度な期待をしてしまった所もある。
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ストーリーのネタバレを避けるために多くは語らないが、以下の4つが気になった点だ。
→あらが多くて描写不足
辻褄が合っていない、キャラの描写が足りなさすぎて納得がいかず感情移入できない。
→お使いが入ってだれる
話を中断するようにお使いクエストがメインストーリーに組み込まれている。テンポが悪くなるし何よりも楽しくない。なぜメインクエストに入れるべき話がサイドクエストに入っていて、サイドクエストに入れるようなお使いがメインクエストに入っているのか理解できない。
→奴隷や差別などの重めのテーマを軽く扱ってしまう
本質的な部分を描かず、最後は有耶無耶にして終了。このテーマをここまで半端に扱ってしまうのなら、最初から手を付けなかった方が良かったのではないか。
→メッセージ性に欠け、盛り下がっていく内容
どっちつかずの内容というか、このストーリーで何を描きたかったのか分からなかった。話が進むごとに、序盤は明確に定まっていたテーマがブレブレになっていき、それと比例するようにストーリーが盛り下がっていく。
これらはあくまでも個人の感想だが、気になる人はFF16ネタバレありのレビューを見て欲しい。
削ぎ落とす=省くではない
発売前のインタビューで開発陣の皆さんがこうとも言っていた、「ストーリーに集中してほしいからミニゲームなどはあえて入れていない」。実際にプレイしてみると、たしかにミニゲームはないし、やりこみ要素も多彩ではない。昨今のゲームは、オープンワールドが流行りということもあって色々な要素を盛り込むゲームが多い中、あえて削ぎ落とすことで作品の売りの部分を光らせる手法をとった開発陣の考えは非常に共感できる。
ただし、削ぎ落とすことと省くことは違う。削ぎ落としたらその分、他の部分を充実さないと単に前作から衰退しているように見えてしまう。例えば今作でいうと、
やりこみ要素やストーリーのゲームプレイ部分は戦闘が中心
→代わりに、何十時間遊んでも新たな攻略法を模索できるような、もっと奥深い戦闘システムにする。
仲間キャラの操作や装備変更などもできない
→代わりに、主人公の成長システムをもっと充実させる。
RPGではなくアクションゲームにしたので、属性ジャンケンは廃止
→代わりに、もっとアクセサリや武器のカスタマイズ性を増やす。移動が早くなる、回避距離が増える、のようなアクションに特化した能力を武器に付与できるようにする。
ミニゲームを無くした
→代わりに、サイドクエストの質をアップさせる。
やりこみ要素少なめ
→ストーリーにもっと力を入れる
のような形で、削ぎ落としたのならその分の工夫や進化が欲しいのだ。削ぎ落として終わりでは単なる劣化だ。
このゲームの場合、削ぎ落とした分のしわ寄せを、戦闘とストーリーでカバーしようとしているわけだが、それにしては役不足すぎると感じてしまった。戦闘・ストーリ共に奥行きが足りなかっただけに、普段は気にしない他の部分にも厳しい評価が付きやすくなってしまうのだ。
このゲームを楽しむうえで重要なこと&オススメできる人
ここまで長々と今作の評価を書いてきた。ネガティブな評価をすることが多かったと思うが、その1番の原因は「開発者たちが作っていたものと自分が期待していたものとのずれ」だ。
私はこのゲームに、ダークで大人な復讐もの&政治や戦争が絡む複雑な物語 、言い換えるとFFらしくない大人なFF を求めていた。だが実際は、良い意味でも悪い意味でも昔ながらの王道FFだった。だが昔のFFのようなワクワク感や充実したRPG要素(マップ探索、仲間、育成…)は、このゲームには少ない。何が言いたいかと言うと、FF16をファイナルファンタジーの枠で評価すること自体が間違っているのかもしれない。このことに今作を遊ぶ前に気付けていれば、もっと純粋に楽しめていたのかもしれないと反省している。FFファンだからこその失敗だ。
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だが1つだけ今作を遊ぶ前に伝えたいことがある。それは「今作のPVは見ない方が良い」ということだ。超個人的見解だが、このゲームのPVはよく出来すぎている。そしてPVから連想させるストーリーの雰囲気と、実際のストーリーの雰囲気の乖離があまりにも激しい。例えると、スパイスをたくさん使った本格インドカレーを楽しみにしてたら、バーモンドカレーがでてきた、みたいな感じだ。どちらのカレーも好きなのだが、求めているものが違ったので不満が出てきてしまうのだ。これに関しては、PVを見て間違った期待を持ってしまった自分が悪いが、注意が必要だと思う。
まとめると、今作はゲーム的な粗は多いが高水準なゲームだ。FFを初めて遊ぶ人にはオススメできる。FFを遊んだことがある人は、FFとか何も考えずに完全新規のアクションゲーム(RPGではない。ここが重要)という心構えで遊ぶことをオススメしたい。
ファイナルファンタジーという重すぎる冠。FFの限界
今作を遊んで改めて「ファイナルファンタジー(FF)」というゲームの難しさを感じた。あまりにも歴史が長く、作風が全く違う作品が数多く発売されてきたので、ファン各々が求めるFFの形が違いすぎる。その全てを満たすことはあまりにも難しく、FF開発陣も それらを抱え込めなくなってきている。このままFFシリーズを続いていくのかは分からないが、これほどファンが多様化してしまうと、どんなにクオリティの高いFFを作っても批判や不満が出てきて、賛否両論止まりで終わってしまうだろう。逆に同じゲームでもFFという名前を付けないだけで、ゲームの評価は上がるだろう。かといってFFではないタイトルに多額の予算をつぎ込むことは難しい。
つまり、FFに限界が来ていて、このビッグタイトルをスクウェア・エニックス自体が扱えなくなってきている。FFファンの一人としては「このままだとFF最新作は作られなくなってしまうのではないか」と焦っている。かつてのように皆が楽しめて手放しに褒められるFFが出てくるためにはどういった形のFFがベストなのか、について開発陣だけでなく、私のようなFFファンも考えていかなくてはならない段階まで来ているのかもしれない。
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最後まで見てくださり、ありがとうございました。
FF16のストーリーについて、個人的にまだまだ語りたいことがたくさんあるのですが、不満だらけのレビューになってしまうので抑えておきました。別記事で、FF16のストーリーをがっつりレビューする記事 を書こうか迷っています。もし気になる人がいれば、いいね や コメントで反応してくれると記事を書く判断材料になるので助かります。
また、FF7リバースについて書いた記事もありますので、よかったら見てくれると嬉しいです↓
最後はFF16のきれいな景色でお別れしましょう。ありがとうございました。
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