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お酒と、わたし

断酒を始めて、半年と少し。
毎日飲むほどの酒飲みだったわたしだが、事情があってやめている。
それは、アルコール依存症という診断。
自分で飲む量をコントロールできなくなってしまったのだ。

高校を卒業してから就職した職場の先輩に連れられて行った居酒屋で、飲むことの楽しさを知った。
一人暮らしのアパートでも飲んでいた。
妊娠中や授乳中は、それほど苦もなくやめていたものの、終わるとまた再開し、パートに出るようになって、加速した。

いつしか、帰宅後はまず飲まないことには夕飯が作れなくなっていた。
勢い付いて外に飲みに出ることもあった。

飲み歩くことは楽しかった。その場で出会った人達と、その場限りの時間をお酒と共に過ごす。
頻度は増していき、夫は苦い顔をしていたが、そんなことはお構い無しだった。
その頃にはすでに、依存症の診断が出ていて、ノックビンという、断酒薬も処方されていたが、飲んでいなかった。

様子が変わったのが去年の春、一度目の休職をしていた頃。辛い気持ちから逃れるように昼間からかなりの量を飲むようになった。午前中に買い物へ行って、昼には飲み始める毎日。学校からお迎えの要請がくるかもしれない、という考えは頭から消えていた。
SNSで知り合った何人かと話しながら飲んで料理をしたり、そしてそれは夜まで続いた。

詳細は書けないけれど、ある夜、酔ったわたしは良くない行動をとってしまった。夫がいなかったらどうなっていたかわからない。
翌朝、度を越している、入院してくれと告げられ、主治医と相談ののち、わたしは精神科へ入院することとなった。

退院後、ノックビンを飲むようになった。
しかし、まだ完全に断つことはできなかった。
この薬は、体内に入ったアルコールを分解してくれなくなる。だから薬が効いている状態で飲酒をすると、悪酔いしたように具合が悪くなる。
それを知っていても、飲みたいという衝動を抑えきれずに飲んでしまい、倒れて救急車搬送。そのまま2度目の入院となった。

わたしはこのことを心から反省した。入院中に書いていた日記を読み返すと、後悔の言葉が毎ページ書き連ねてあった。

2週間の入院を終えてノックビンと断酒を再開し、今に至る。
あれだけ飲んでいたのが嘘のように、一滴も口にしていない。始めた頃はスーパーのお酒コーナーやテレビのCMを見るのが辛かったりもしたけれど、今はそれらを目にしても何も思わない。
つまらないな、と思うことはあるが、二日酔いのない世界は非常に快適である。

酔って起こした騒動をかなり端折って書いたが、思い返すとあれは異常だったと思うし、夫や子供たちに相当な迷惑をかけた。
見放さずにいてくれたこと、一緒にお酒をやめてくれている夫には感謝しかない。

わたしはこれからもお酒を飲まない。
酔うことに逃げない。
辛いこともあるけれど、飲んでも解決はしないことを知っているから。
とってしまった行動を忘れず、反省し、家族へ感謝して、生きていこうと誓った。



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