引きこもりというネコを脱ぎ捨てたら、いろいろと制御が効かなくなった件。⑦
盆石の翌日。苔テラリウムの設計図にそって苔の植えつけを始めました。
以前から救われた経験でお話していたものの、改めて、苔テラリウムを紹介したいと思います。
と記したとおり、本来は密閉型の容器や、深さがある容器を使うのが筋なのですが、近頃はフタがない上に口が広いどころか、フタがないものまでテラリウムと呼ばれるようになっています。
ですが、本筋から外れたものは、大概、育てるのが難しいです。
苔テラリウムの苔が育つか否かは、テラリウム内の湿度が保たれているかどうかなので。端的に言えば、密閉型の容器<フタつき<フタなし の順で水やりの回数が増え、管理が面倒になっていきます。
世間一般のマニュアルでは、「2週間に一度の水やりでOK」と書いてあるそうですが、それは密閉型の容器、しかもガラス製という条件下での話。
もし、フタなしを選んだ場合は、通常の盆栽や観葉植物と同じ回数の水やりどころか、苔の種類によっては更に増える可能性さえありますので、ご注意ください。
更に、苔を育てることに慣れた方が、もっと苔を成長させるために提案された、容器とフタの間に通気口を設けているテラリウムは、フタなしと同じ扱いで接してください。空気の流れが生まれ、風を好む苔はよく育ちますが、乾燥を嫌う苔の場合、冷暖房の風の真下に2~3日、置くだけで枯れてしまうことがあります。
ちなみに、フタつき、フタなしの水やりの基準ですが、
器そのものが湿り気で白くなっている。
器が透明で、触ったら苔が乾いていた。
器が透明で、触ったら苔が乾いていて、土の表面も乾いていた。
1は、必要ありません。むしろ、日当たりの良いカーテンのレース越しに置いてある場合、高温の蒸し風呂になり苔が枯れる可能性がでてくるため、1日、暗い場所に移動するなどして様子をみてください。2日以上続くようであれば、5分程度の喚起をして湿度を調節する必要があります。
2は、霧吹きで苔を湿らす程度に水を与えてください。その際、器にかかった水は自然と乾燥することが理想なので、2日経過して戻らない場合、1と同様に湿度を調節する必要があります。
3は、すぐに霧吹きで苔だけではなく全体を湿らせてください。器の底に水が流れるまでが理想ですが、底を水浸しにしてしまうと、仮根腐れを防止するためにスポイトなどで吸い取る必要があります。程々にお願いします。
ただ、フタなし、オープンテラリウムは、苔の種類によりますが盆栽と同じ扱いとなり、気温によっては朝夕の水やりが必要になります。
苔テラリウムを作ろう
育てるための注意点をあげていきましたが、育てる苔テラリウムがないと話にならないので、早速作りたいと思います。
今回のテラリウムは、20㎝四方のキューブ型の水槽です。完全とは言えませんが、フタあり密閉型の容器になります。
実は、このテラリウムは引っ越してくる前に製作して大切に育てていたのですが、引っ越しの際、トラックの振動に耐えきれず土がグチャグチャになってしまいました。事前に詰め物をしたり、土を固めたりしていましたが、それでも甘かったようで、確認した際、ショックを受けて、そのまま放置していたものです。
それでも、環境さえ整えば生命力が強いのが苔の良いところで、一部は越冬を無事に終え、綺麗に育っていました。なので、改良に当たって、元々あった苔と、新しく購入した苔を混ぜて育てることにしました。
用意するものは6つ
テラリウムの器となる密閉型の容器。
用土となる土と石、土を盛るためのスプーン。
苔・シダなどの植物いろいろ。
ピンセット・はさみ
水の入った器と、選別した苔をおく小皿。
キズのつきにくい作業台
です。
1は、先ほどお話したとおり、密閉型の容器<フタつき<フタなし の順で水やりの回数が増えます。更に、ガラス<プラスチック<その他 の順で湿度や温度を保つことが難しくなります。なので、作ることに慣れていない方、育てるより飾って楽しみたい方は、「密閉型のガラス容器」を選択してください。サイズは
2は、用土の選択です。苔はそれほど養分を必要としません。普通の植物用の土だとテラリウム内の湿気で虫がわくことがあります・・・・・・。慣れるまでは苔テラリウムように調整された用土、それから赤玉土や泥炭に移行されることをおすすめします。
3は、苔は苔でもテラリウムに向いている苔とそうでない苔があります。木陰や半木陰、または水辺で育つ湿り気を好む苔は苔テラリウムに向きで。庭園や道路の片隅に力強く育つ苔は乾燥に強い苔なのでテラリウムには不向きです。シダや他の植物も同様で、特に多肉植物は強い日差しと乾燥を好む植物なので一緒に植生しないよにしてください。
4は、ピンセットは100均のでもOKですが、苔の束を持って違和感があるようなら取り替えましょう。おそらくピンセットの接地面がズレているため固定できなくなっています。はさみは園芸用でなくても鋭く切れ味がよければ何でも大丈夫ですが、湿り気に強いものを選んでください。
5は、使用後のことを考えて、洗いやすいジップロックと、そのフタを利用していますが、ある程度の深さがあれば何でも大丈夫だと思います。
6は、苔をいくら洗浄しても土どころか小さな虫が残っていることがあるので、ダイニングテーブルは避けてほしいです。その上で、キズのつきにくい天板に、新聞紙、防水シート(100均のレジャーシートでも可)などを敷いて、汚れを防止して製作してください。又、どれだけ気をつけていても水で濡れる可能性があるため、浸透性のある天板での作業も避けた方が無難です。
・・・・・・準備だけで長くなってしまったので、次回、実際に作りながらお話したいと思います。つづく。