引きこもりというネコを脱ぎ捨てたら、いろいろと制御が効かなくなった件。③
私は乱読派です。
本についていろいろお話する前に、大前提として、私は乱読派です。乱読とは、簡単にいうと”本のジャケット買い”でしょうか?読んだことのない漫画を手にするときに多い一目惚れや、目次どころか表題の単語に引かれた実用書とか、資格本とか・・・・・・そういえば、⑩や⑲でお話した”簿記”も同じ流れで購入していましたね。
なので、本屋さんに入ると、流れる時間が早く感じます。30分なんて当たり前、本屋さんが大きければ1時間超えも普通にあります。それは古本でも新刊でも同じ。一期一会を求めて、興味のままに購入・・・・・・ していると、素晴らしい散財額となるので、ある程度制限をかけなければいけません。
そこで、本を購入する前に、一瞬立ち止まってから、2点、自分に問いかけるようにしています。「この本は、本に書き込みをいれたり、繰り返し読む必要があるのか?」「ここで今購入しないと買えなくなる本なのか?」
前者は、「簿記」のような資格本を筆頭に、期間はそれぞれですが繰り返し読む「筋トレ」「ダイエット」「レシピ」といった一読では終わらない本がこれに当たります。特に、書きこみが必要な本は、後述する図書館で借りることができないため、後悔する前提で、実費で購入することが多いです。
後者は、「限定本の新刊」や、新古本問わず「絶版・稀少本」のような発行部数が限られた本はもちろん、「雑誌や付録付き」といった購入特典のある本がこれに当たります。特に、古本屋さん巡りで多い「絶版・稀少本」は即購入してしまうことが多いので、お財布の準備が必須の本ですね。
ちなみに、前者であげた「簿記」や「四季報」などの改定が多く行われる本は、新刊の本屋さんでないと意味がない「最新の情報」を収集するための本ともいえます。
ウェブ検索の怖さを知っていますか?
ですが、最新の情報こそウェブからという人も多いですよね。
それが間違いとはいいませんが、ウェブは情報の真偽の判断がとても難しい場です。公式ならまだしも、情報発信サイトは玉石混交(正式には”玉石混淆”)
なので、調べていたつもりが、全く異なるサイトへ潜りこむのはまだ良い方で、詐欺サイトへ誘導され被害にあうことも珍しくありません。特に”資格”や”経済情報”は、高額の本の購入や講習への入り口へつながりやすいので、お気をつけください。
結果、書きこみが必要だったり繰り返し読む本、または発行部数や付録のついた本、すでに絶版になっている本は、一目惚れした気持ちのまま実費で購入してしまう場合があります。
では、立ち止まって購入しなかった本は諦めるのか?
いいえ、図書館に借りにいきます。
昔とは違って今は、直接図書館にいかなくても、図書館に所蔵されている本なのか、貸し出しができる本なのか、予約できる本なのか、公式サイトから検索できるようになりました。
そこで、本屋ではタイトルを記憶するに留めて、自宅で検索します。
その本が貸し出し中であっても、自分専用の本棚があるのでそこに保管して、気になったものから借りるようにしています。
本屋さん側からすれば購入して欲しいのが本音でしょうが、自腹で購入している本に加えて、毎月20冊オーバーの本が加わるとなると、私のお財布事情が厳しいので、申し訳ないと思いつつ、レジに行かずにお店から撤退することも多いのです。
なので、私にとって図書館とは、自腹で購入するにはためらうけど興味がある本、更に、一時の興味で終わらずに、もっと知識を膨らませたい、勉強したいと思った時プラスする専門書を借りるための場といえます。
図書館には、借りるためではない利用法もあります。
ただ、数ヶ月ごとに大きな図書館にも通うようにしています。そこでは新旧の本屋さんに求めるような散策をじっくり2~3時間かけて行います。実は、そこでも「乱読」が大切な要素となります。
薄い本でも最初から最後まで通読すれば30分は必要ですが、乱読であれば10冊は読めます。私の乱読法を例にあげると
タイトルもしくは表紙で気になった数冊を手にとる。
読書台を確保できたら、積み重なった本の1冊の目次を開く。
目次で気になる項目の中から、ひとつだけ流し読み。
その流し読みで足りなければ、もうひとつ流し読み。
その分量が多ければ「借りる本」、足りなければ「返却する本」と分類。
何回か繰り返し、10冊前後、借りる。
この方法はある程度ジャンルを特定しておけば簡単に終わりますが、ぶらり散策をはじめると長くなります。
ですが、ゆったりした時間の過ごし方は、プライスレスです。
プライスレスではない漫画喫茶も、新しい出会いを求めて訪れます。
ニコニコ漫画やRenta!(レンタ)などで立ち読みをして気になった本の1巻を手に取り、1話を通読。そこで気になったら1巻まるまる読むを繰り返します。
他の方より読むペースが速いとはいえ、図書館と違ってレンタル料金分しか時間が使えません。仮に他の本も手にとっていたとしても、それらの本が面白いかどうかは分からないので、本を探す乱読は中断して、読破に専念します。その時によりますが、1~3時間を目安に滞在して、10冊~30冊ほど読むことが多いです。
その中で手元に残したくなった本のうち数冊は、購入手続きに走ります。気に入っていたら中古でも構わないので、投資の件であげた ブックオフやMANDARAKE、漫画全巻ドットコムなども頻繁に利用します。そこでないと新刊の本屋さんでお取り寄せか、ヨドバシ.com の通販を利用しています。
一方、Kindleを筆頭にした電子書籍類は、一切購入していません。
その理由は次回として。
乱読について考察する記事をnoteで見かけたので、紹介します。
【乱読という本の読み方】圧倒的に読書量を増やすことができる『乱読のセレンディピティ』|あゆむ / 読書随想 (note.com)
本の著者の意見はもちろん、あゆむさんの意見も頷くことが多く。特に、読書ノートについては同意見で、読み返したいフレーズ以外は記憶に残っているだけで十分だと、私も思います。
ただ、これだけは言わせてください。
読書ノート自体が悪いというわけではありません。
私自身、乱読で済ませてしまった本をまとめるために読書ノートを作ったことがありますが、後日、何かに転用できた経験は一度もありません。
なので、noteやSNSなどでアウトプットし、話を展開するなら納得できますが、自分のためだけに整理する時間があるなら、仕事やプライベートで必要な事項を記憶する時間に充てたいだけなのです。
それに、後日検索が必要になるのは、仕事や趣味の最新情報なので、昔の本は論文を書かない限り役立たないのがほとんどですし、検索をかければ、遠回りになっても、以前読んだ本に必ず当たります。
一方、繰り返し読むことの否定に関しては、蒐集の意味がある稀少本、眺めているだけで幸せになれる画集や絵本、数年後買い直した人生のマニュアル本など、何度読んでも私を幸せにし、読破したらしたで満足感を与えてくれる宝物なので、そのあたりの境界線は自分で決めればいいと思います。
最後に。
乱読により読書量は確実に増えますが、読書量を増やすために乱読をしなければならないわけではありません。乱読は、本がスキで、本をもっと読みたいという希望を叶える手段のひとつでしかありません。乱読をすることで、本がキライになったら、それこそ本末転倒です。
大事なのは、自分にあった本の読み方を探し、見つけ出すことではないでしょうか? そのために乱読に挑戦するのは大歓迎です。
つづく。