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引きこもりというネコを脱ぎ捨てたら、いろいろと制御が効かなくなった件。⑱

16回目のリハビリと診察で、世界が変わりました。



待合室で、順番を待つことが辛くなるぐらい緊張していました。

・・・・・・また引きこもりが続いたら、どうしよう?
こっそりとはいえ、外に飛び出したとはいえ、私はまだ自宅療養中の身。
リハビリは週二回あり、症状は改善しつつも、診察は隔週、もしくは3週ごとしかないので、今日の結果でドクターストップが解けなければ、4度目の延長となってしまいます。

さすがにそれは許容できないと、仮に結果がダメだったとしても、事務的な仕事だけでも復帰できないかお願いする覚悟でいました。
私の職場だけかもしれませんが、1ヶ月どころか1週間離れたら浦島太郎状態で、同僚からそれとなく聞いていたものの、理解できない規則やら仕事やらが増えていたので、不安でいっぱいだったのです。

しかし、先生はあっさりと、本当に軽い口調で。
私に問いかけたのです。それも、私の希望をまるっと受け入れるように。

「制限がかかるけど、復帰してみる?」

最初、その言葉が信じられなくて。
「本当にいいんですか?」
と、問い返してしまいました。
なぜなら、リハビリに通い、自宅でもストレッチや筋トレやら頑張ってきましたが、数値的には前回からそれほど変わっていません。

強いていえば、可動域が悪いなりにどうすれば楽になるのかを、理学療法士の先生に教わり、自分の中で昇華してきただけで、本当の意味で治ったわけではありません。

なのに、なぜ?

先生曰く「この時点で”ちゆ”を宣言せざるをえない症状であれば、キツい話だけど転職をすすめたと思う。でも、のどかさんは違う。骨折そのものは綺麗に治っていて、あとは忘れている動かし方を思い出すだけだと判断した。だからリハビリに加えて、仕事を実践の場として活用しても大丈夫だと判断した」とのこと。

つまり、のろのろ運転で治ることは治るはずだけど時間がかかる状況から、仕事をすることで思い出す速度をあげる可能性に賭けてみては、という診断結果でした。

万全ではないので、いくつか条件がつきました。

  1. 構内(職場)や通勤で自転車には乗らない。

  2. リハビリは週2回以上は通う。

  3. 診察も隔週~3週ごとにおこない、疼痛の治療を行う。

かなり厳しい条件ですが、私が出した答えは「もちろん頑張ります」の一択。家の中にいて、どうしようもないぐらいに追い詰められた先月を考えれば、外に出られるだけで十分な成果、立派な許可書をいただいた気分になりました。

その後も細かい注意事項を受けてから病院をでたわけですが、ここで待ち構えているのが、”会社への説明会”です。
ですが、これまでと違って、今回は”職場復帰の報告”ができます。
キリキリと胃を痛めたり、胸が苦しくなったり、自分を追い詰めたりする必要がないのです。

でしたが、上々の気持ちで向かった職場で聞かされた話は寝耳に水で、驚くより先に、何を言ってるんだろうという疑問符だらけになってしまい、聞き返したのですが・・・・・・。

「5月2日から運転士見習いとして運転してもらうから」

え? 5月2日から?!
通常であれば、1ヶ月でも運転から離れた場合、半月以上は事務などをして運転に耐えられるか判断されます。運転士見習いとして扱われるのは、その後の話です。

それが、4ヶ月離れた私のシフト表は、予定ではあったものの、事務作業なし、3週間の見習期間クリアできれば独り立ちという日程になっていました。しかも、5月下旬には独り立ちデビュー日まで決まっていて・・・・・・

呆然というか、冗談にしても質が悪い話だと憤りを覚えたぐらいです。
しかし、更に話を聞くと、私が休業に入ってから離職された方のシフトを穴埋めするには、どうしても必要な措置らしく、自転車やリハビリについての条件を伝えても、状況は変わりませんでした。

なので、不安はあるものの、私にできることはひとり悩むことではなく、運転ができるように最善を尽くすことだと開き直るしかありませんでした。
とにかく、復帰まで2週間あまり。

最低でも1日8000歩、できれば10000歩、歩いて、歩いて、体力をつけようと思います。

つづく。

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