「食事を味わう」について心の中のイタリア人と語る
ある日、珍しく僕の心の中に住むレオナルドの方から話しかけてきました。
「おいエバ!
どうして君はいつもそんなにたくさんの醤油を料理にかけるんだ?
味のバランスが台無しじゃないか!」
(ちょい怒り、江場の心の中に住むイタリア人レオナルド🇮🇹)
「いや、レオナルド、わかってないなぁ。
僕は料理に醤油をかけて食べてるんじゃないんだよ。
醤油を美味しく食べるために、料理と一緒に食べてるんだよ。」
「何言ってるんだ、、、エバ、、。
この暑さで頭がおかしくなってしまったのかい?」
(絶句し、頭を抱えるレオナルド)
「僕は醤油が好きだからさ、
例えばお寿司なら、お寿司に醤油をつけて美味しく食べるんじゃなくて、醤油を美味しく食べるためにお寿司が最適なんだよ。
わかるかい?」
(眉間に皺を寄せ、最大限に目に力を入れて見開き、もはや怒りを通り越して恐怖しているかのような表情のレオナルド)
「エバ、、、
ちょっと何から話せばいいかわからないけど、まず一つ言わせてくれ。
(片手で頭を抱え、あまりの出来事に疲労困憊した様子のレオナルド)
なんでもかんでも醤油の味しかしない程醤油をかけるのは間違っていると思うよ。
もちろん僕も醤油という調味料が美味しいのはよく知っているよ。最高だ。
だけど、食事を味わう、ということは人生にとってとても大切で、豊かで、楽しいものだろ?
だから、せっかくの食事を全部醤油の味にしてしまうのはとてももったいないと思うんだ。
わかるかい?
僕のお気に入りの料理の一つに、
パスタにトマトや、にんじん、玉ねぎ、それからオリーブといった季節野菜を放り込んで、チーズとハーブ類、そうだな、例えばバジルやオレガノなんかで味を整えて、最後にオリーブオイルをたっぷりかけたものがあるんだ。
どうだい?
想像しただけでも色鮮やかで、素材の味を楽しめる美味しそうな料理だと思うだろ?
エバ、君には醤油だけじゃなくて、そんな料理も楽しんで欲しいんだよ。
日本にも出汁の風味を楽しむような、繊細な料理がたくさんあるよね。
僕もそんな日本料理が大好きなんだ。
伝わるかい?
とにかく、なんでもかんでも醤油をダバダバかけるのをやめてみて欲しい。
そうすれば、君はよく悩んで僕に相談してくるけど、多分君の悩みの半分を忘れてしまうくらい人生がハッピーになると思うよ。」
(いつになく、身振り手振りを交えて、髪の毛がちょっと乱れるくらい力説するレオナルド)
ありがとう、レオナルド。
最後の言葉、めっちゃ効くわ。
色んなことに悩んで君に相談する前に、
まず食事を味わい、楽しめってことだね。
それはほんとにそうだよね。
早速明日から、一回一回の食事を味わって、どういうところが美味しい、とか、こうしたらもっと美味しくなりそう、とか考えながら、楽しみ方を探してみるよ。
と、思いつつ、
スマホをいじり、スナック菓子を口に放り込み、何味かわからないジュースで流し込んで小腹を満たす、食事の教養について弱小すぎる僕、江場。
※ちなみに僕はイタリアに行ったことないし、イタリア人の友人もいないけど、「小さな村の物語 イタリア🇮🇹」というテレビ番組が大好きで、イタリア人をとてもリスペクトしています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
江場
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