技術進歩で退化するヒトのチカラ・・・。持ち続けたい。(ベターアイデア? v3-68)
鼻の良く利く友達が2人いる。ひとりはイタリアンの店長さん。職場近くのお店で、ランチに週2、3回行く。鼻もすごいけど舌もすごい。シェフと呼ばれる人達は皆さん、そうなのでしょう。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの基本味のかなり難しいテストも全問正解。そんなひとはほぼいないらしい。このお店は本当に何でも美味しいのだが、彼のこのチカラがなせる技か。プラスして、とても研究熱心な努力家さん。
ボクは匂いはダメだ。鼻があまり機能していない。臭い(くさい)臭い(におい)に鈍感だから生きやすいかもしれないが、自分が臭いかもしれないから注意しないと周囲に迷惑をかけてしまうかも。美味しい物は食べて、美味しいとは分るつもり。。。鼻が利く人はもっと複雑な味・匂いを理解しているのかもしれない。ボクは食材は何が使われているかが、わからないことが多い。。。
もう一人の友達は、普通の単なる友達で飲食とかの勤務では無い。が、すごく匂い・臭いに敏感だ。電車に一緒に乗ったりすると、移動していい?と聞いてきて、隣の車両に移動する。というのもね:「さっきのところの、向かいのひとはたぶん体臭で、あっちのひとは酒で、あっちはタバコで。。。」とか。ひとつの空間なのに、3種類ぐらいのくさい臭いを嗅ぎ分けている。もはやワンちゃんですね。。。
繊維製品は、色落ちしないか試験をします。堅牢度と言われるJIS規格の試験です。摩擦、水濡れ、洗濯で色落ち・色移りしないか。そして、堅牢度試験には汗液での試験もあります。汗をかいた時に衣服が色落ち・色移りすると困りますものね。で、その汗堅牢度試験は、アルカリ性と酸性で試験します。汗というものはアルカリ性と酸性の両方があるから。わかりやすくは、運動したり体温調節のための汗は「温熱性発汗」と言われ、酸性で無臭。一方、冷や汗のような緊張時の「緊張汗」はアルカリ性。たんぱく質・脂質・アンモニアを含み臭い。運動している時でも極度の勝負タイミングなどで緊張していたらアルカリ性になりえます。
この友人は、このアルカリ性の汗の臭いを嗅ぎ分けているのでしょう。
「恐れは勇気とは違う匂いがする。人は恐れていると、勇気に満ちているときとは違う化学物質を分泌する。近隣の人々に対して戦争を始めるかどうかを議論している太古の生活集団の中に座っていたら、文字通り世論を嗅ぎとれていただろう。」
「古代の狩猟採集民は、つねに油断なく気を配っており、注意深かった。キノコを探して森を歩き回っているときには、風に漂う匂いを慎重に嗅ぎ、地面を熱心に眺めた。キノコが見つかると、細心の注意を払って食べた。味の微妙な差異を一つひとつ感じた。」
「私たちは匂いを嗅ぐ能力や注意を払う能力に加えて、夢を見る能力も失っている。」(「ホモ・デウス」(ユヴァル・アル・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社))
夢を見るというのも一種の人が持つチカラだったとは。。。ボクは鼻もダメ、そして夢も見ない。注意を払う能力がどこまで欠如しているかはわからないが、これも望み薄か。一方、その友達、鼻は上述の様にすごく機能している。そして、おもしろいことに夢の話を良くする。そして、電車内ではきょろきょろ、変なひとがいないか、咳しているひとがいないか、気分悪そうなひとがいないかウォッチしていて、必要に応じ車両を移動する。
ここ数年の感染症騒ぎであまり会っていないが、時に都会の道や混雑した駅などを一緒に歩く時は、さっさと人々間をくぐり抜け、目的地に進んでいく。クルマの渋滞時も右に左にすり抜けようとするタイプ。太古のひとが持つチカラを”今でも”持っているのね。なんて思ってしまった。
今後の目まぐるしい更なる技術進歩で、人間が過去や今、持っていた/いるけど、どんどん失っていく機能が確かにありそうだ。匂いを嗅ぐチカラ、夢を見るチカラ、空間認知能力。
それに、スマホと睨めっこだから会話するチカラも減っていく。ペンなどで字を指で書くチカラ。キャッシュレスで貨幣もいずれ無くなるから単純な計算能力。検索すれば何でも出てくるし、AIが判断してくれるから、記憶力に思考力、判断力もサヨナラ。もしかしたら、人と対面で会う機会もどんどん減るし、忖度とか、阿吽の呼吸とか、目で語る、とかそんなことも無くなるから、表情を読むチカラもなくなりそうだ。
鼻が利いて美味しさや危険を察知でき、夢を見て想像力を高められ、空間能力高くさっさと効率的に移動する。そんなチカラ、とても羨ましいと思う。美味しい料理をつくれ、皆を笑顔にでき、危険を察知し電車の車両を移動し体調不良になるのを回避できる。ますますの技術進歩で、こんな人間の能力は退化。しょうがない。止められない。だけど、どうにか太古のチカラ、持ち続けたい。どんな努力が必要だろか。考えるのは良いアイデアかな。
今日のベターアイデア:
現代のひとは、匂いを嗅ぐ能力、注意を払う能力、夢を見る能力を失っているらしい。今後の更なる技術進歩で、ますます失う機能がありそう。スマホと睨めっこで会話するチカラ、字を指で書くチカラ、キャッシュレスで単純な計算能力、検索やAIが判断するから記憶力・思考力・判断力、そして対面で人に会う機会も減って表情を読むチカラなどが失いそう。ボクはこれらのチカラをどうにか持ち続けたい、進化が生み出す退化に抵抗したい。その方法をちょっと考えて、実践してみるのがベターアイデアかなと思った。しかし、人類は今度どうなることか。。。
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