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ボクともぐらと 86_ワークライフバランス?イヤイヤワークか、わくわくワークか。それ次第。

ボクはボク。会社員。ワークしている。もぐらさんはもぐらさん。もぐらさんも会社員でワークしている。2人は同僚で同じ夢を持つ。やさしいひとになり、そうあり続け、やさしいリーダーになること。やさしさは心の、精神の強さが無いとできない。「ぼくモグラキツネ馬」という絵本に出会って、それまでにも色んな本や人に出会って、リーダーの心の強さ・やさしさの強さが組織を強くすると信じている。その日々の学びの徒然草。

昔、10年ぐらい会社を経営していた時、面接をたくさんした。ボクの、戦略的に勝てるというのか競合優位性というのか、偉そうなもんじゃないけど、を反映したビジョンが固まる迄の2年間はひとが辞めて、入って、辞めての繰り返しだった、から。

3名で始まって20名超ぐらいの会社。名も無い会社。有名な会社さんがしばらくしてお客様になって下さって、感謝いっぱい、だけど、ボクの会社自体は誰も知らない。200平米以上が必要で大手町やら六本木、渋谷なんて無理で東京の外れ。家賃を安く。だから人が集まらない。いわゆる偏差値高い学校の人なんて来ない(別に求めていた訳ではないけど)。

応募頂ける方は訳有りな感じ。同じ業界で異端とか、個性強めとか、うまく会社員としてやっていけなくて転職ばかりとか、50歳過ぎてリストラとか。

で、ある面接に、専門卒で、短期間で転職を繰り返している30歳ぐらいの人が来た。経理業務で。お話していると「私はワークライフバランスを重視します。」と明言された。えっ、ワークライフバランス?

正直、その時は、なんだ?こいつ!と思ってしまった。面接なんだし、「ワークをがんばりたいです」とか、「やる時はやります。独身ですし。でも、休みも好きです。」ぐらいで良いような。「ワークライフバランスを重視します」って、残業イヤ・土日は働かない、との主張のように思えた。面接で自発的にワークライフバランスを重視すると言われたのは後にも先にもこの時だけ。

初めての本当の経営で(外資の日本オフィスでのなんちゃってはあったのだけど)、とにかく、軌道に乗せ、安定させ、十分な利益ださないと!で、とにかく仕事中心。だから、ムカっ!

けど、今思えば、こっちの勝手な都合ですね。仕事もプライベートも当然大切。彼は経営者ではなくサラリーマン。名も無い会社に来てくれるだけでありがたいです。

ムカっ、とした幼稚なボクだけど、必要に迫られて結局採用。個性強く、変わってるキャラ。自信無く、人から信頼されて来なかったんだろうって感じ。でも、基本良い人でがんばってくれると思えた。

ボクは信じてるし、今知らないことも知ればいいし、必ず幅広く経理処理もできるようになるよ、と伝え、いつも感謝の言葉で接した。そしたら色々挑戦してくれたし、たくさん頑張ってくれた。日々の業務も全く問題ない。リーダシップがフォロワーシップより先だ、と本当に思った。

「ワークライフバランスが、ワークばかりになっていない?」って話したら、「そうですか。みんなと同じです。」って、もう面接の話は忘れてたご様子。で、このワークライフバランスですが:

ワーク・プライベート・バランスじゃなくて、ワーク・ホビー・バランスじゃなくて、ワーク・ファミリー・バランスじゃなくて、ワーク・ライフ・バランス。ワークとライフ。なんか変じゃない? 日本語では「仕事と、仕事以外の生活、のバランス」になるけど、英語でそのまま捉えるとワークってライフに含まれないの?と疑問。ライフの方が広い概念のような。今更だけど。1980年後半か1990年あたりに生まれた言葉らしいから今更だけど。

というのも、ワークライフバランスについて、今読んでいる本にこうあったのです。noteでも書いたアメリカの大企業のCEOだった人の本(「ハート・オブ・ビジネス(ユベール・ジョリー作、英治出版)」)。つまり英語に精通しているひとが書いています:

「誰もが「ワークライフバランス」という考え方について聞いたことがあるだろう。家族、友人、余暇、そして仕事のバランスを取るのは重要なことだが、この言葉だと人生は仕事の外側にあるもののように感じられる。「ワーク」は「ライフ」とは別のもので、真の人生ではないと言っているかのようだ。」とのこと。

確かに、ワーク(仕事)はライフ(生活)の中にある気がしますから、比較がおかしい気がします。野球とスポーツの比較みたいで変です。

で、本題です。ライフの外に仕事を出して定義したいほど、仕事って嫌なものなのかもしれません。

ワークの嫌な特徴を5つに整理してみました:
1.基本は何らかの指示に従う(服従だ)
2.指示がなくても、なんでも自由に発言・行動はできない(不自由だ)
3.それに自分のやりたいこと・得意なこと以外もやる(非効率だ)
4.人も多数で価値観合う好きな人ばかりではない(純粋に心地良くない)
5.上司やお客様、他人に評価される(緊張•不快だ

こういう風にワークを整理すると、いやぁ、ワークってイヤイヤですね。確かにライフに含めたくないですね。

でも以下のように転換して整理したらどうですか:

ワークの特徴5つ:
1.自分が共感できるビジョン・夢の実現の一翼を担う(自発的)
2.目的あるビジョンに沿う発言・行動は自由が許容(一定の自由)
3.組織の成長と共に自分の成長も目指す(自己実現)
4.多様な個性の仲間だけど基本の価値観は同じ(心地良さと刺激と)
5.組織の仲間やお客様は評価ではなく学び・成長へのサポート役(感謝)

こういう風にワークを整理すると、いやぁ、ワークって良くないですか。ワクワクなワークです。

これはボクともぐらさんが目指すやさしいリーダーが実現したい組織です。ワークです。

だから、ワークライフバランスとは、ワークが楽しくてついつい没頭しちゃって、おっと、だめだめ、ライフ(=プライベート、ファミリー、ホビーなど)にも時間を取らないと、って。これが目指す姿・あるべき姿です。

冒頭の彼の言葉をマイナスな意味で受け取った未熟なボク。ボクと一緒ならワークが楽しくなるから、確かにワークライフバランスを重視してもらった方が良くなるよ、って言えたらカッコよかったのに。

やさしいリーダーの仕事。ワクワクなワークづくり。ビジョンや夢や価値観を明確に心に持ち、定義し、発信し、浸透させ。共感する仲間に集まってもらい、異論・反論・自由な意見に価値があることを風土にして、挑戦による失敗を許容し、助け合う土壌・信じ合う土壌をつくる。目標設定や評価(評価という言葉は嫌いですが)の仕組みも”適切”に設計し、会社の成長と個々が望む成長を両輪として実現する。

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