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第一子の高校受験が終わって考えたこと
3人の子ども達の一番上、長男の高校受験が無事に終了した。コロナに巻き込まれることなく終了できたのはこのご時世では僥倖だったと言えるだろう。
今後、真ん中の長女、末っ子の次男と続き、長男は大学進学を希望しているので、まだまだ「受験」とのお付き合いが続く。ということで備忘録として、第一子の高校受験にあたり考えたことなどを記しておく。
高校受験までの経過
小学校時代
小学校を楽しく過ごしていた息子も、4年生くらいになってだんだんと成績が心配になってきた。どうも学校の授業について行けていないのではないか、と感じるようになったのだ。当時、ベビーシッターで来てくれていた方に、息子さんは個別指導がいいと思う、という話を聞いていたこともあって、東京個別指導学院に行かせることにした。
この頃は仕事がとても忙しかった時期で、親としてあまり勉強に関わってあげられなかった。それでも塾に行ったら塾では勉強しているので、多少の効果はあったようだ。成績も持ち直し、塾からは二科目で受けられる中学を受験しますか、という話もあった。
両親ともに中学受験は未経験で、正直必要性をあまり感じていなかった。でも、本人がやりたければやってもいいかな、という思いはあった。聞いてみると本人は、地元の公立中学校に行って、バスケ部に入りたいという。どうも、小学校のバスケットボールクラブに中学生が来てくれていたようで、自分もそのお兄さんお姉さんの一員になりたいと思ったらしい。
結局、本人の意向も後ろ向きなものでなかったことから、地元の中学校に進学を決めた。
中学校時代前半
バスケ部に入って、ゴタゴタしながらも新生活がスタートした。小学校と違って中学校は校則も厳しくなるし、制服で出かけなければいけない。小学校の時には安全上の問題もあって携帯電話所持の申請を出して学校に持って行かせていたが、中学校ではそれも禁止された。(これは今でもおかしいのではないかと思っている。このあたりから自分自身が公立中学校を嫌いになってきたように思う)
学業は小学校の時の塾通いが資産として残っていたのか、学校内での位置付けはそれほど悪くもなかった。バスケ部の顧問とソリが合わず、顧問が英語担当であったこともあり、英語の成績はだんだん落ちてきてしまったのが心配ではあったが。
塾に入れようかとも検討したが、部活もあることだし、スタディサプリで補習をすることにした。これは後で考えると、少し甘かったな、と思わざる得ない。
スタディサプリは、本人のモチベーションが低いと、なす術がない。あまりにも手をつけないので、一緒に動画を見るなどを試みたのだが、本人のものすごい抵抗にあって断念した。結局2年生の後半、早稲田ゼミナールの個別指導に入れたのだが、その頃には偏差値40程度まで落ちてしまい、本人はそのことを気にしていないわけではないから苛ついているのだが、積極的に勉強しようとはしない、という非常に困った事態になっていた。
中学時代後半
成績が落ちていった頃は、コロナが流行り出した頃でもあった。学校は休校となり、特に学校からの指示もなく、家でひたすらゴロゴロするのみであった。前出のスタディサプリでもやったらいい、という話をしたのだが、全くやる気がみられない。生活リズムも狂ってくるし、親もコロナで仕事は大変だしで、どうしたものか、という状況に陥っていた。
中学受験率の高い地域だったので、私立中学校の対応も聞こえてきていた。私立では慣れないながらも何とかオンライン化が実施され、何とか授業が復活しているようだった。同じ頃、公立中学校である子どもの学校では、やってもやらなくてもいい自宅学習用のプリントが配布されていた。
受験時期
コロナで中途半端な部活の引退となり、そろそろ周囲も受験を意識するようになったからか、長男も勉強に意識を向けはじめた。塾での指導もそれなりに軌道に乗ってきたのか、本人も少し勉強への理解ができて、自信が出てきたのかもしれない。
夏は集中合宿・・・がコロナで実施できないので通学の集中講座が開催され、それに通わせた。集中講座は学力別でクラス編成がされ、長男は当然のように最下位クラス。だが、そこで先生方からハッパをかけられ、かえって本人はやる気が上がったようだ。一緒に授業を受けている同世代の人たちを見て思うところもあったのかもしれない。とりあえず秋ごろには偏差値も50前半くらいまで上がってきた。
ただ、順調に上がってきたのはここまでだった。本人もそれなりに勉強していたのかもしれないが、周りも勉強しているものだから、現状維持か少し下がってしまう、というジグザグがしばらく続いた。
なかなか上がらない成績、親からの小言、教師からの説教、と本人もイライラが頂点に達していたのかもしれないが、とにかくちょっとしたことでも言い合いになったり、ものすごく無気力になったり、やるべき手続きを放棄したりと、典型的な鬱状態。親としても大変な時期だった。
この時期にようやっと高校の説明会なども参加するようになった。実際に通う可能性のある高校を見て、本人も意識が変わったような気がした。表情も明るくなった。もっと早く行っていれば良かったのか、それとも本人に準備ができていない時期に行っても結局仕方なかったのか。今でもよくわからない。
受験本番
本当に色々あったが、とりあえず併願優遇を確保できたので、他にいくつか受ける学校はチャレンジをすることができた。あとは本番まで1点でも多くとる努力をするだけ・・・なのだが、ここからまた本人に無気力期が訪れる。
部屋に入って動画三昧。言っても聞かないので取り上げると、もう高校行かない、などと言い始めて反発する。正直もう行かないでいいんじゃないかと親としても考えないでもなかったが、とりあえず話し合いを続けた。
塾には通っていたので、そこでは勉強していたとは思うが、結局自習しなければ相対的な学力は上がらない。チャレンジ受験は当然というか何と言うか、全て不合格となってしまった。一つくらいは受かるのでは、と親の贔屓目で考えていたが、やはり現実は甘くなかった。
併願優遇で受験した学校は、当初のコースよりも上のクラスで合格することができたが、最上位コースには届かなかった。でもまあ、合格したコースは偏差値目安が55ぐらいだったので、適正と言えば適正だったのだろう。2年の終わりぐらいで偏差値40だったことを考えれば、よくやったのではないかと思っている。
3年間を振り返ってみて
親の後悔・反省
振り返ってみて、本人はわからないなりに勉強して、少なくても真ん中を越えるくらいにはなったのだから、よくやったと思う。ただ、親としては、もう少し伸ばしてあげられたんじゃないかと、後悔が大きい。本人も、もう少しやれたんじゃないかと考えていそうなふしがあり、それが一層気の毒に思ってしまう。
親の後悔としてはまず何よりも、中学校の勉強を舐めていたとしか思えない。勉強は積み重ねであると知っていたはずなのに、受験時期になったら頑張ればいいのではないか、と軽く考えてしまっていた。親がこうなら、子どもだってそう考えるだろう。
まず最初の判断ミスは、勉強のやり方をわかっていない子どもにスタディサプリを与えてしまったことだ。スタディサプリはとても優れた教材であると思うし、一緒に動画を見ていた時はわかりやすくて感心したものだが、受け取り手の準備が欠けていればどうしたって活かすことができない。部活もあって大変そうだから、などと言わず、対面の塾に入れてしまうべきだった。対面であればプレッシャーもあるので、全くやらないということもないだろう。コロナで学習習慣が壊滅してしまったのも痛かった。対面の塾でわずかでも学習自体に慣れてからであれば、スタディサプリも活かせたかもしれない。
塾については、小学校時代に個別指導でお世話になっていたこともあり、今回も個別指導の塾しか念頭になかった。これはこれで良かった部分もあると思うが、夏の集中講座などで他の子どもから刺激を受けていたことを考えると、個別で少し勉強がわかるようになったら集団指導塾に入れて周りから刺激を受けられるようにした方が良かったのかも、という気もする。
ただ、入塾当初の状況を考えれば、集団指導ではついていけなかった可能性も考えられるので、これについては後悔というほど強くはない。むしろ、中学一年生の頃から集団指導塾に入れていれば良かったのかもと、そちらの方が後悔である。
教育サービスに関する後悔はこんなところだが「親としてもっと関わってやったら良かった」というのは、それを上回る反省点だ。勉強の方法が身についていない子どもを放牧するのは、本人にとってもかわいそうなことだった。
本人が嫌がろうが、親として関わりを続けて、勉強方法やスケジュールについて、もっと話し合いをするべきだった。スマホやタブレット、PCについてのルールも、もっと話し合っていれば、禁止一辺倒にはならなかっただろう。仕事が忙しかったのは言い訳にならない。
幸い、今回の高校受験をくぐり抜けて、本人の精神的な成長も見られる。大学受験に向けてはしっかりやっていきたいという意識もあるので、その意識が壊滅してしまわないうちに(笑)勉強方法やスケジュールについて話し合いをして、協力できるところを決めていきたい。
公立中学校への反感
勉強は自分でやるものだ。なので、学校への恨みつらみを言うのは違うのかもしれない。だが、どうしても言いたい。
まず違和感を持ったのは、校長先生の発言だった。私は地元のボランティアなどにも関わっていたので、夜のざっくばらんな場で小学校や中学校の校長先生たちと話をする機会もあった。その場でのことだった。中学校の校長先生が、「うちの学校の生徒たちって、ほんと勉強しないよね」と言っていた。
え、他人事? と思っていたら、小学校の校長先生がまずいと思ったのか、「そこを勉強するように指導していかないといけないよね」とフォローを入れていた。でも、中学校の校長先生はフォローを入れてもらったのもわからない様子だった。
また、担任との面談時、2年生の頃だったが、高校進学を考えているのなら塾に入れてください、というようなことも言われた。これは当時の子どもの成績を考えると仕方ないのかもしれないが、学校がそんなこと言うんだな、と思ったのも事実だ。コロナで満足な授業もできない状況だったことを考えれば、その先生なりの誠意あるアドバイスだったのかもしれないが、少しは学習指導の工夫についても考えた方が良いのではないかとも思った。
コロナ休校の時期の放置具合は決定的だったかもしれない。PTAの役員をやっていた関係から教育委員会とも話し合うことが多かったのだが、教育委員会からはコロナ対応について、早々に白旗が上がっていた。翌年度にギガスクール構想が早まってタブレット導入が決まった時は頑張ってくれたが、それまでの1年くらいの空白期間が生まれてしまった。教育委員会から何も指示がなければ、学校の先生たちも何もやらない。やれない、のかもしれないが、結果は変わらない。
結局公立中学校は、生徒が勉強しなくても、勉強させるのは塾にお願いしても、コロナで上から指示がなければ放置していても、学校の先生たちは全く困らない、というのがよくわかった。部活で遅くなる時には終わったら本人から連絡させたいので携帯電話を持たせて欲しいと言っても、検討しますと言って実質無視するほど能動的?なのは生活指導に余計な手間が加わって困るからだ。
調査書への納得感のなさ
高校受験で重視される「調査書」。公立高校を受験する時には、本番の試験が7割、調査書が3割を占める。推薦入試などでも活用される、非常に大切なアイテム、それが調査書だ。
その調査書の評定は、定期テストの点数は3割ほどしか反映されない。100点満点で90点以上とっていても、5段階評価で5にはならない。残る評価対象は何かと言うと、学習意欲や態度、周囲との協調性などだ。何でそれが測られるかと言うと、授業中に先生の話をうなずきながら聞いているかとか、質問をしているかとか。要するに教師の主観だ。
色々な考え方があるだろうが、私はこんなの馬鹿馬鹿しいと思う。調査書の内申点のために、わかっている問題でも質問しに行って「わかりました! ありがとうございました!」とかってやっている人もいるそうで、そしてそれが実を結んでいるようで、本当にどうかしているのではないかと思う。
2月の勝者、と言う漫画で、高校受験について、「同じ点数なら先生に好かれている方が勝つんですよ」と言うセリフがあったが、本当にその通り。でもそんなので進学が決まってしまって良いのだろうか。
うちでは結局、公立はとりあえずで、私立を本命にすることとした。長男の調査書の点数だと、大学進学を目指さない人も多そうな公立しか対象にできなかったからだ。
まあ正直、自分の子どもが調査書で優遇される方だったらきゃっほーいだったのかもしれないが、それにしても定期テスト3割の評定とは、学問以外のことに比重を置きすぎではないだろうか。
最近話題だった大学入試改革では、大学入試においても調査書の比重を高めようとしている。大学は勉強するところではないのか。学力の比重下げてどうするんだ。教育のプロなんだから上手いこと考えてくれるんじゃないか、などと文部科学省丸投げ・他人事でいると、日本の教育は大変なことになるのではないだろうか。
上の子の高校受験を経て考えた今後の対応
上の子への対応
とりあえず高校の勉強は一緒に検討するようにしたいと思っている。と言っても自分が高校で勉強していたのは何十年も前の話になるし、最近では事情も違っているだろう。と言うことで、最近は「勉強法」についての本を乱読している。
それでわかったことは、いつの時代も勉強は自分でやらなければ身につかない、と言うことだ。自分に合った参考書や問題集を選び、YouTubeを見たいのを少し我慢して勉強時間を作る。参考書や問題集は、こなせるようになるまで何度も繰り返す。結局これしかない。
まだ高校の教科書や指定の参考書がどんなものかわからない状態なので(それも週末にわかるのだが)、それが確認できたら、プラスαの参考書や問題集を揃えて学習スケジュールを組む予定だ。もちろん子どもと相談して。本人も入学前から入学後の準備をしたいと言っているし、ちょうど良いと思っている。
これから3年間、親にもきっと色々あると思うが、今度こそ本人が満足できる受験になるよう、できる限りのサポートをしてあげたいと考えている。
下の子たちへの対応
現在四年生で来年五年生になる真ん中の長女は、本人を説得して中学受験のための塾に入れることにした。これは今までの私の考え方からすると、かなりの方向転換だ。
中学受験については色々な考え方があるし、私立中学校だからと言って必ずしも良いとは限らないのは承知している。入ってみたらカタログと全く違った、ということもあるだろう。この前読んだ本では、公立高校のことを貶めて私腹を肥やしている塾産業もあるという。公立高校は言い返せないからサンドバッグになっているが先生たちは頑張っている、と。確かにそういうこともあるだろう。全く否定するものではない。
だが私は上の子を通じて、公立中学校のいい加減さや旧態依然とした対応を嫌と言うほど見てきた。そして基本的に公立中学校の選択の余地は少ない。隣接地域の中学校には行かれるかもしれないが、そもそも親玉の教育委員会は同じなのだ。公立の小中学校は教育委員会に右へならえだ。小学校はうるさい親も多いのでかなり対応に気を遣ってくれているのがわかるが、そういう親の子たちは中学受験で公立中学校には通わない。うるさい親がいなくなった公立中学校は先生たちからすると天国ではないかな。
その辺りがよくわかったので、今度はぜひ私立中学校を見てみたいと思っている。もちろんなるべく情報収集を行い、後から振り返って良い中学校時代だったと思ってもらえるような学校を選びたいが。
中学受験についても調べているのだが、調べてみるとこれもなかなか面白いものだった。ちょっと今まで偏見があったかな、という反省もある。娘も、進度の早い塾の授業の方が学校の授業よりも楽しい、と言っているので、これはこれで良かったのかもしれない。
末っ子の次男については、これから小学校入学である。なるべく勉強は見てやりたいと思うが、色々なことにもチャレンジさせてあげたい。
最後に
いろいろ書いたが、公立中学校については地域差が大きいと思っている。私が体験したのは東京23区の一つだが、区全体でとても中学受験率が高く、そのためかえって入ってくる情報に偏りがあることも考えられる。ただ、やはり公立の意識と教育委員会の意識というのは、民間で働いている人間にはちょっとわからないところがある。これはどこでもある程度共通するものではないかと思っている。
まあどちらにせよ、勉強は自分で行うしかない。学校のせいにはできない。だからこそ、勉強しようと思う環境は大事だ。そのための環境は親がある程度作ってあげられる。一人の親として、できることはやってやりたいと思う。