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改めて「主体的・対話的で深い学び」について考えてみる

☆改めて「アクティブ・ラーニングとは何か」について考える☆ 

果たして「主体的・対話的で深い学びの授業」とはどのような授業なのか。

今年度の「アクティブ・ラーニング型授業」実践

 今まで、さまざまなスタイルの授業を実践してきた。そこには二つの意味がある。
 一つは、学校(校種、私学と公立、地域性、生徒の学力層、共学か別学かなど)や学年によって、求められる授業の進め方が異なるために、変える必要があること。
 もう一つは、さまざまな学び方(すなわち授業スタイル)によって生徒の意識や学びがどのように変化するのかをみていくことにより効果を判定し、次の授業の改善へつなげていくこと。
 そこで、ここでは、今年度の授業実践の変遷をはじめから述べてみたい。今回はその第1回目として、令和3年4月当初から5月ころまでの授業について述べる。
 なお、私は、授業において適宜、意見や感想を生徒から出してもらっていて(リフレクションプリントに併記やロイロ・ノートにて提出の形)、その内容をできる限り還元していることを述べておきたい。

☆身近な目標は「自分の学び方を確立する」

 この4月から、新しく公立中等教育学校に勤務し始めるにあたり、自分自身がどのような期待をされて採用されたのかを考えた上で、授業の進め方を決めた。それは、「アクティブ・ラーニング型授業の実践」と「その授業と一体となった試験」及び「ルーブリックを用いた評価」であると結論付けた。
 もちろん、その一体化(授業から評価まで一体化)されたものは、目標があってのものである。ここにおける最も近い目標は、「生徒個々人が自分の学び方を確立する」というものである。

☆「教えて考えさせる授業」の進め方で

 まず、授業の方は、以前の学校から始めていた「教えて考えさせる授業」の形式の四段階の学びにさまざまな学び方を取り入れた方法で始めた。この方法は、以前、十数年勤務させていただいた私立の中高一貫校で途中から導入したもので、すでに十年弱の実践経験及び実績があり、その学校での生徒の評判及び評価(授業内アンケート)は高かったものである。

 私がそこで用いた方法(一回の授業の流れ)は以下の通りである。

   ホット・シーティングを用いた(前回の授業内容の)理解深化             
                 ↓

    KP法を用いた今回の授業で進める内容の教師からの説明

                 ↓

 グループワークによる今回の授業内容に対する質問事項の精選及び発表

                 ↓

       上の質問に関連した教師からの回答及び解説

                 ↓

 ルーブリック形式によるリフレクションプリントへの記入による振り返り

◎ホット・シーティングとは……など

 この方法は、まず、前回の授業内容に関するホット・シーティング(演劇的手法のなりきりプレゼンテーションの一つで前に質問に答える人物や動物やモノが座って、他の人の質問に答える形式)という演劇的手法で始めることで、前回の授業時に学んだことを思い返すことができる。この部分は、生徒たちの気持ちが授業開始に改まるアイスブレイク的な役割も果たしている。さらに、この部分への準備をしてくることで、ホット・シーティング自体で学ぶことのできるレベルはいくらでも上げることができるものである。  
 次のKP(紙芝居プレゼンテーション)法による教師からの説明によって、新しく学ぶ内容の説明を皆が同等に受けることができ、それによって最低限の内容知識の学習が保障され、次のグループ活動における学習が進めやすくなり、学びが保障される。
 第3段階のグループワークにおいては、予習等で準備してきた質問や疑問点の中から説明を疑問が晴れなかったものについてクラスメイト同士で聴き合い答え合い教え合って、それでもわからないこと疑問が残ったこと、あるいは新たに出てきた上位の疑問点を出し、それを発表する。それに応えて、教師が説明するのが第4段階となるのだが、ここでは、必ずしも説明せずに、できるだけ調べ方や考え方など学び方のヒントだけ与えて先へ進むように工夫してきた。
 最後に、3観点評価に基づいて作成した5つの規準で構成されたルーブリック形式を基本とした自己評価プリントに記述してリフレクションする。このリフレクションプリントの特徴は、メタ認知を意識するように作られていることである。そのために文章で記述することが求められるようになっている。

☆その結果…

 この形で始めたのであるが、今回の勤務校では、生徒の多くにとってこの進め方がどうも「ゆるい」ように感じられたようであった(生徒の感想及び意見から)ようだ。そのため、6月からこの方法を改善し、もっと発展的で深い内容を学びたいという期待に応えられ、さらに生徒主体に進められる方法に変化していくことになった。
                            ―――続く。

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