【死語現禁】254.ソアラ(自動車)
(英:Soarer) トヨタ自動車株式会社が販売していた高級クーペ。
<用法>
同僚の由紀子が乗ってみたいと言っていたのを聞いて、幹夫はローンを組んでソアラを買った。
<解説・思い出>
内田康夫先生ファンの方には、浅見光彦の愛車としてお馴染みだと思います。
1981年から2005年まで日本で販売されていた、2ドアの高級クーペでした。
特に1986年に販売された2代目は大ヒットし、僕らの憧れでした。
ソアラは、一つの自動車名というだけではなく、時代を象徴する言葉だと考えて今回取り上げさせて頂きました。
ソアラという名前は、高性能グライダーからイメージされたようです。まずこの名前がとても開放的で新しさを感じさせました。エンブレムは翼の生えた獅子で、力強さと飛翔のイメージを訴求していました。
そして2代目はとても美しい車体でした。当時友達と「最も美しい日本車だ」と話していた記憶があります。車のカタチも色も、出色の出来だったと思います。
2代目までは、車体もコンパクトでした。高級でありながら大きくないという、非常に魅力的なサイズでした。
さらに価格も300万円~400万円と、当時の若者が「無理をすれば買える」設定でした。この『死語現禁』でも取り上げさせて頂いた「小ベンツ」が500万円以上だったのに比べれば、手が届きやすかったのです。
当時はバブル期で、若者達は
「頑張って高級な物を手に入れる」
ことに夢を持って日々過ごしていました。その象徴がソアラだったのです。
その頃を生きていた僕にとっても、ソアラという言葉は「華やかさ」「美しさ」「憧れ」など、前向きな気持ち想起させる言葉となっています。
ソアラは3代目からは車体が肥大化し、価格も高くなり、若者の憧れではなくなってしまいました。名前が消えて久しいので、今の若者は車の名前とさえ知らないでしょう。
僕は今でも、2代目ソアラは日本の自動車史に残る美しい車だと思っています。
ちなみに今販売されている車で素晴らしいデザインだと思っているのは、トヨタ自動車株式会社のPROBOXです。高級感はありませんが、小型の車なのに大きく見え、運転もとてもしやすい素晴らしいデザインだと思っています。
死語ランク:☆☆
☆☆・・・当時を知る人は知っていて、言った人に「古い人」という印象を持つレベル
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