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TVアニメ「リコリス・リコイル」が好きだった私も大満足の舞台「リコリス・リコイル」

舞台版「リコリス・リコイル」第1弾がめちゃくちゃよかったなんで観に行ってなかったんだよバカヤロー! という話をします。主な理由はイベ被りなので仕方ないのですが……。

「リコリス・リコイル」は2022年7月に放送されたオリジナルアニメ作品です。もう2年前か……! あとあと振り返ると世界設定に若干の無理がありながらも最後まで貫き通した「千束とたきなの関係性」など、魅力的なキャラクターたちの立ち振る舞いが世間的にもウケていたと私は認識しています。当時のアニメ感想文を読み直してみると、私もかなり楽しんでいたようです。

魅力的なキャラクターを支えていたのは声優さんのお芝居で、特にメインを務めた千束役の安済知佳さんとたきな役の若山詩音の文字起こしでは伝わらない繊細な感情表現が素晴らしいです。

全体的なアニメーション作品としての完成度も高く、舞台化の発表を聞いたときの私の印象は「ガッカリするだけでは?」でした。舞台キャストのビジュアルが公開されたときの印象もあまりよいものではなく、特にクルミに対して大きな違和感を覚えました。しかしこれは決してクルミ役のキャストが悪いのではありません。クルミの設定の問題です。「年齢不詳の正体不明の一見幼女の天才ハッカー」という盛り盛り設定はあまりにも二次元向け。大人がおいそれと再現できるわけがないのです。わけがないと思っていたのです。

舞台を観ることで幻滅するかもしれないしイベント被りしたしでスルーしてから約1年半。舞台の第2弾公開に合わせて、私がスルーした第1弾が期間限定でYoutubeに公開されることになりました。第2弾があるということは第1弾がそれなりに好評だっただろうこと、アニメからしばらく時間が空いてどんな出来であっても受け止められる余裕ができていたこと、食わず嫌いのまま終わらせたくなかったことから、配信を見ることを決めました。

これがもうめちゃくちゃ面白かった!!

嬉しい嬉しい。アニメの再現度が高すぎる。キャストさんスタッフさんのリコリコに対する解像度が高すぎる……! 「アニメの世界がそのまま現実になったみたいだ」という言葉はこの舞台のためにあるのでは?? と思えてしまうほどの満足感でした。キャストさんのキャラクターへの寄せ方がもう半端ない。

四角い箱で顔を隠しているロボ太はアニメのキャストがそのまま箱を被っているんじゃないかと思いましたし、明るさとウザさを兼ね備えた千束の特徴的なセリフの抑揚は本当にもうそのままでした。そして何と言ってもクルミです。驚いたことに年齢不詳の正体不明の一見幼女の天才ハッカーが確かにそこにいたのです。何者なんだこのキャストは……! ということで気がついたらクルミを見事に再現してみせてくれた大渕野々花さんについて調べ始めていました。本人アカウントのプロフィール欄によれば新人声優。10歳から子役事務所で活躍され、2024年5月よりアーティスト活動もされているようです。本人がどのようなキャリア形成を考えておられるかはわかりませんが、幼女役をやらせたら3本の指に入ると私の中で評判の久野美咲さんが命を吹き込んだキャラクターを違和感なくやりきっている姿を見るに、今後、幼女役声優として名を馳せるルートはあり得るんじゃないかと思いました。それくらい素晴らしかったです。この素晴らしさが第1弾のバストアップの公式キャストビジュアルからは一切伝わってこなかったので、そこは少しもったいなかった気がしますね。ミカやミズキと並んだときのいい感じの身長差もわかりませんし。

ストーリー構成についても文句なし。2時間ちょっとで6話分なのでほとんど削られることなく(追加で登場人物が必要な5話の要素をうまく散りばめたくらい?)、私のアニメお気に入りのシーンはもれなく再現されていました。アニメで何度も巻き戻して再生を繰り返していたシーンは舞台でも巻き戻して再生を繰り返してしまいます。千束とフキが模擬戦前に中学生のケンカをするところとか、たきなが千束にジャンケンに勝って喜ぶところとか。ナンダットテメドコチュウダッゴルァ。

総じて、アニメが気に入りすぎて蛇足で汚したくなかった私も大絶賛の舞台化でした。舞台を見たらまたアニメを見返したくなってしまったよ。そんな舞台「リコリス・リコイル」の第2弾が昨日より公開中。今回も残念ながらイベント被りで現地にはいけないのですが、ありがたいことに今回はディレイ配信もあるようなので、そちらで必ずチェックします。

食わず嫌いのまま終わらせなくて本当によかった。素晴らしい舞台をありがとうございました。願わくば、大好評につき再演してくれたりしないかなぁ!

余談
これを観る直前に漫画原作のドラマ化に関する報告書を読み、何とも言えない気持ちになりました。原作をお借りする以上、どうやったって作者や作品に対するリスペクトは必要だよな、と。舞台リコリコからは作品に対するリスペクトを感じることができて嬉しかったです。

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春乃はじめ
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