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奥の逃道20250206「雪の日に思い出すこと」
みなさんこんにちは。
墓穴掘男です。
まぁテレビでもあれだけ大寒波の予報をしていれば分かる通り、この山形県も大寒波による、大風、大雪が吹雪いているわけではあるが、
山形県の日本海側に住んでいる私の地域は雪は降れども、風で積もらないため、雪かきに追われる毎日は送っていない。
だが、雪の降らない地域で生まれた私にとっては雪が積もるたびにふと走馬灯のように思い返す1日があるのだ。
あの日は、小学6年生の冬。
私は九州大分県の生まれなのだが、
当然九州地域というものは雪化粧とは無縁の地域な訳だが、その日は今日が如くの大寒波により、小学校のグランドは雪で白銀の世界になっていた。
まぁそんな日には小学生なんて生き物は、アドレナリンの限りを尽くし、滅多に遊べない雪遊びに全力を注ぐのだ。
その際、当時仲良くしていた友達の末松くん(仮)を含めた10人で雪合戦をする事になった。
5対5のチーム戦でお互いが雪を投げ合いながら遊んでいたのだが、ふと我々の戦いの中で末松くんがずっと雪の玉を生成する事に勤しんでいたため、仲間内でその玉を奪って、一斉に末松くんの体めがけて雪玉をぶつけてやったのだ。
その時、不思議なことが起こった。
雪をぶつけた後、末松くんが怒りながらこちらを振り向いたのだが、怒りでそうなってしまったのかは不明だが、
末松くんの目は白目を剥いていて
全身から湯気が噴き出ていたのだった。
まるでドラゴンボール映画のブロリーを彷彿するその姿に恐れ慄き、逃げるやつもいれば、私のようにその場で立ち尽くす者もいた。
末松くんはもともとそんなに怒るタイプではなかったが、その日はまるで鬼神が宿ったかのように見えた。
何よりもう一度言うが、全身から沸騰した湯気が末松くんの体を纏っていたため、何か目醒めさせてはならない怪物を生み出してしまったような後悔が押し寄せた。
まぁその後の記憶はないのだが、
今こうして生きていると言うことは何事もなかった証明ではあるものの、あの日の末松くんを雪が積もるたびに思い出してしまうのだ。
山形は雪が多いため、末松くんを思い出す機会が多いわけだが、彼が今も白目を剥いていないことを願う。
ここで一句。
雪化粧 白目のあいつを 思い出す
それでは今日はこの辺で、
さよならまた今度ね。