出来事未満
今朝もつらい。朝陽が眩しくて寒さが鋭い。反面、空気が綺麗なので煙草の煙で汚してやりたい気分。しかし、寝坊したので走った。走るのは嫌いだ。
食べたいものが何一つなくて困った。口にものを入れて咀嚼すれば食欲がわくが、まあ何も食べなくてもいい。あ、うそうそ、ハンバーガーが食べたい。
毛羽だった心の表面を灘らかにするには、沈黙といい音楽と熱いコーヒーが必要だ。ここには何もないなと思いながら、路地に隠れて空気を汚してやった。
今日、仕事中に死にかけた。
他人の不注意で。
その直後、私はさっき死ぬところだったなと至極真っ当なことを考えていた。
しばらくすると、沸々とふざけるな危ないじゃないかといった怒りが込み上げてきた。
その時、私はまだ死にたくなかったのだなと気付かされた。恥ずかしながら、死ぬための心の準備ができていないらしい。
…
君は言った。
「毎日、いつでも死んでいいように生きてる」
私はそれを聞いて肯定も否定もできなかった。言葉が出てこなかった。そんな風に言う気持ちを思うと。
それでも前より生きるのが好きと話してくれた。
そんな君の生き様に思い焦がれた。
できればずっと生きて欲しいと思った。
…
私が死ぬ時は好きな日、好きな時間、好きな方法で。
例えばの話。