出来事未満

また寝つけないまま朝を迎えた。うつ伏せで寝たのが良くなかったかな。うつ伏せで寝ると悪夢を見やすいと聞きます。私の見る悪夢は落ちる夢か沈む夢か、もしくは大学の卒業単位が足りない夢。未だに大学のポータルサイトを眺めて卒業単位を計算して一つ二つ足りずに肝を冷やして飛び起きることがある。実際の大学生活ではそういった単位で四苦八苦した記憶は一切ない。どちらかと言うと就活や卒業研究の進捗で神経を尖らせていた。それについてはあまり思い出したくない。カーテンを開けた。朝陽がひどく眩しい。眠れずに迎える朝は憂鬱だけれど死ぬほどではないのが救い。

うちの部署に来ている大学生バイトの女の子。凛々しい眼差しが特徴的。いつまでも場に馴れず堅苦しい感じ。冗談のひとつでも飛ばして彼女を笑わせてあげたい。けれども変なことを言ってあの涼しげな視線を浴びてしまったらと思うと。私は恐ろしくなりせっせと自分の仕事に戻るわけです。

夕方、気圧がおかしくなるのと同時に私の頭もおかしくなった。脳味噌を締め付ける痛みに歯を食いしばる。薬が切れてしまった。給湯室で3倍の濃さのインスタントコーヒーをこさえて正気を保つ。ロキソニンに補助金が出るとかいうポストを見た。存在しない損得の概念を植え付けてくるからインターネットは嫌い。黙れ黙れと脳内でキレ散らかす。正気のうちに仕事が終わってドラッグストアまで走った。そのままエスプレッソも買ってその場で薬を二錠飲んだ。

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おまけ(今日の写真)

夜風