人は花束
小川糸さんの小説”とわの庭”を読み終えた。盲目の女の子の話なんだけど、ふんわり軽く読めるかなと思って買ったら、結構壮絶なお話でみるみる引き込まれて2日で読み終えました。すごく勇気をもらえるお話。
読みながら思ったのは、もし自分の目が見えなかったらどうなんだろうってこと。
もし目が見えなかったらどうやって人を見るだろう。
もし目が見えなかったらどうやって友達を選ぶだろう。
もし目が見えなかったらどうやって会いたい人を選ぶだろう。
もし目が見えなかったら自分という人間をどう感じるだろう。
もし目が見えなかったらこの世界はどう見えるんだろう。
“見た目”の優先順位はかなり下がるなぁって漠然と思って少し驚いている。
目が見えるから、ほとんどを目からの情報で人を見てる。雰囲気がいいなとか、笑顔が素敵だなとか、所作がいいなとか、身長がとか、筋肉がとか、、。
見た目やファッションが自分の苦手な感じだったら、もうそこから友達になる可能性は減る。
なんでだろ。
目からの情報に左右されてる自分の世界の狭さが少し嫌になった。
この人はこう考えるんだなぁとか、この人はこういうこと大切に思うんだなぁとか、こういうことに怒るんだなぁとか、心にあついものをもってるなぁとか、優しいなぁとか。
目からの情報だけじゃなくて、目を閉じたときに広がる想像、相手に感じることをもっと大切にしたいな。
この小説のなかでは、人は花束みたいだって書いてあった。それぞれがいろんな花の集まりでいろんな匂いが混ざって、その人だけの匂いを作り出してるって。
私もそんなふうに人のことを感じていきたい。
みさと