見出し画像

反・流行の新作ボードゲーム 『花鳥風月』 明日発売

明日、ゲームマーケット大阪2021が開催されます。昨年はコロナで開催中止になったので、2年ぶりです。

新作を出します・・・!なんとかギリギリに間に合いましたので(先ほどルールを印刷しました)、本当に直前ですが、どんなゲームかを書きます。

花鳥風月 / Kacho-Fugetsu

ゲームデザイン:山田空太
アートワーク;イマジンゲームズ
出版:イマジンゲームズ
(2021)
10歳以上
3-4人
プレイ時間:30-45分

花鳥風月は、すごろくのように円形の盤上で駒を進めて、モニュメントを建てたり、株を売買したりして、名誉点とお金を競うゲームです。

コンポーネント:ボード x4枚  黒サイコロx1個  黒キューブx4個  ポーン 各1個x4色  モニュメント 各7個x4色 マーカー(円形) 各2個x4色 株ディスクx36個  株ディスクにはるシール:各9枚x4色(+予備 各色1枚)

さて、花鳥風月、どんなゲームでしょうか?

題名は『花鳥風月』と純日本的ですが、今回のゲームは和のテーマ性はあまり関係ありません。自分がこれまで作ってきたゲームとは異なり、テーマやフレイバーなしのゲームです。

ルール的に言うと、『モノポリー 』や『いただきストリート2』にインスパイアされていて、駒が周回するすごろくです。

今Nintendo Switchで大人気の『桃太郎電鉄』では、日本全国を目的地を目指して移動したり、目的地そっちのけで優良物件を買ったりカードショップを漁ったり、プレイヤーの行動は結構自由です。

一方、『モノポリー 』や『いただきストリート2』って、プレイヤーは同じところをぐるぐる回るんですね。進む方向も、基本決まっているので(『いただきストリート2』では枝分かれも結構あるんですが)、プレイヤーの自由度は高くありません。最初の数手で物件が買えないと結構きつい・・・。サイコロの目に結構左右されるゲームです。

で、その同じコースをぐるぐる回るすごろくで、何か新しいものを、作りたかったのです。コースは円形がいいなって、なんとなく完成形はイメージできていました。

ゲームデザインの初期の頃には、
 -最後まで何が起こるかわからない奇跡のすごろく 
 -準備〜発展〜逆転
というようなメモをしていまして、「1周目で準備して、2周目で発展させて、3周目で逆転する」そんなシナリオを描いていました。

スクリーンショット 2021-03-29 23.06.23

プレイヤーがやることは、サイコロを振って駒を進めて、物件を買い、株を売買してお金を稼ぐという、オーソドックスな感じ。それぞれの物件(建物)には効果があって、その効果を利用することでちょっとしたブーストをかけたり、株を一気に売ったりして、お金や名誉点を稼ぎます。

『モノポリー 』のような交渉はありません。プレイヤー同士でのお金のやり取りもほぼありません。プレイ時間も随分短くなっています。頑張れば、30分で終わります。

ゲームの「ガワ」というか、手段は、以上のような感じです。で、ゲームの内容というか、コアの部分はどうなのか?

ざっくりと要約すると、「無駄な手番があるゲーム」です。「無駄な手番があるゲーム」、それだけ聞くと、面白くなさそう、ダメなゲームっぽいですよね。

最近のトレンドは、無駄な手番がないゲームが主流のように思います。ワーカープレイスメントの登場以降、その傾向は強まりました。ワーカープレイスメントって、ワーカーを置くと何かしらのプラスが生まれます。手番で、何か良いものをゲットできるんですよね。無駄な手番がほぼありません。実際は意味がない行動でも、何か1歩は前進しているように感じます。そのワーカープレイスメントが主流になって以降、損や無駄を極力避けて、なるべく効率の良い方法を探るっていうようなゲームが増えているように思います。

しかし、ちょっと前のゲーム、『カタンの開拓者』とか『カルカソンヌ』とか、無駄な手番、結構あるんですよね。何もできないまま一手番を終了することが。例えば、『カタンの開拓者』で、2つのサイコロを振って、和が8がでした。8の土地に隣接する建物を持っていません。何も資源が生まれず、何も行動ができず、手番終了のような感じで。『カルカソンヌ』でも、ゲームの場面に無関係なタイルを引いて、適当に端の方に置いて手番終了みたいな。

一見、無駄な手番なのですが、ゲーム全体としてみると、それがメリハリになったりもするんですね。序盤は3手番連続で何もできなかったけど、後半は良い目が続いて一気に巻き返したみたいなことも起こります。そんなこんなで、無駄な手番自体に価値を見出せないかとずっと考えていました。

で、話は『花鳥風月』に戻ります。『花鳥風月』は「無駄な手番があるゲーム」です。サイコロを振って、駒を進めたけれど、お金がないから株も建物も買えなかった。ハイ、手番終了、のような感じで。実際は、すごろくのコースを1周するとお金がもらえるので、ちょっとはゴールに近づいてはいるのですが。

そして、『花鳥風月』は「サイコロ運に左右されるゲーム」でもあります。手番で振るサイコロは1個です。振り直しはできません。この振り直しについては、最後まで悩んだところです。株を1つ支払うことで、サイコロの振り直しを許容してもいいんじゃないかって。もしくは、サイコロを振り直す効果のある建物があった方がいいかなって。

しかし、テストプレイの結果、取りやめました。振り直しもアリだけど、ちょっと焦点がずれるなって。今回は潔くいきました。

走り書きになりましたが、まとめます。『花鳥風月』は、「無駄な手番があるゲーム」「サイコロ運に左右されるゲーム」ってことで、反・トレンドだなあって思いながらゲームを作りました。

今回、手作業でしたので数は、そんなに作っていません。ボードもちゃんとした厚みのあるボードではなくて、マット紙4枚を繋げて1枚の大きな正方形にする感じです。箱も白無垢箱にシールを貼っただけです。株は、木駒にシールを貼って箱詰めする予定でしたが、シールを貼る時間がなく、ご購入後、貼っていただく形になります。色々すみません。

このnoteを公開した現時点から箱詰めをするので、明日ゲームマーケット大阪に持参できるのは少数になりそうです。通販用に、少し取り置きます。では、反・流行の『花鳥風月』、よろしくお願いします。

明日お会いしましょう。おやすみなさい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?