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名作探訪 その9 THE・王道 『チケット・トゥ・ライド』

こんにちは、ボードゲームデザイナーの山田空太といいます。イマジンゲームズというレーベルの代表もしています。

最近では、亀田製菓さんのハッピーターンのおまけに付いてくるすごろくの監修・ゲームデザインを担当しました。

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このnoteでは、普段ボードゲームの作り方に焦点を当てて書いています。今回は、名作探訪という、皆さまに是非とも遊んでほしいボードゲーム紹介のシリーズです。

本日のゲームは、アラン・ムーン作『チケット・トゥ・ライド』です。ボードゲームにハマる、その最初の頃に出会ったゲーム。ボードを広げた時とてもワクワクしたことを覚えています。

アメリカを舞台にした鉄道ボードゲームです。

2004年に初版が発売されてから、ヨーロッパ版、インドマップやアジアマップ、北欧マップ、日本/イタリアマップなど、シリーズや拡張も数多く出ている有名なゲーム。

チケット・トゥ・ライド  Ticket to Ride

Designer: Alan R. Moon
Artist: Cyrille Daujean
Publisher: Days of Wonder
(2004)
2-5人
好み:AAA 
プレイ時間:45分
2人でも:3人以上がおすすめ

まずやっぱり、でっかいボードを広げたときのインパクト。アメリカ(少しだけカナダ)の地図が描かれた大きなボード!

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都市と都市の間に、いくつかの色の路線が引かれています。ゲームの目的は、都市間を電車駒でつないで、路線をどんどんと伸ばすこと。マス目に自分の色の鉄道駒を置いていくのです!

最初に配られた目的カード(例えば:ロサンゼルス-マイアミ)を繋げるとボーナスポイントを得られます。

路線は早いもの勝ちなので、最短の路線を他プレイヤーに取られたりすると、ぐるっと遠回りをしないといけません。どうしても取りたい路線は急ぐ必要があります。

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手番のアクションはシンプル。

・「電車カードを2枚とる」(ワイルドカードの場合は1枚)
電車カードをプレイして同じ色の路線に電車駒を出す」

のほぼ2通り。

実際は、目的地カードを追加する」という選択肢がありますが、ゲーム中1度か2度しか使用しませんので、基本的には上の2通り。

例えば青の5の長さの路線を自分のものにするには、5枚の青カードを一度に出す必要があります。線路の長さに応じて、得点します。

ゲーム終了時に、自分の目的地カードを達成していたら、プラス点。逆に達成できていないと、その分マイナス点。さらに、一筆書きでの最長路線を持つプレイヤーだけにボーナス点があります。

ゲームの勝ち負けだけを考えると、ちまちまと路線を繋ぐより、長距離路線を行く方が得です。なので、ちょっと我慢して、ドカンとカードを出すほうが勝ちやすいですね。

手札制限がない分、最初にカードを集めがちで20枚くらい持てたりするので、それはゲームとしてどうかなというところもあります。ただ、欠点こそあれ、鉄道ゲームをこれだけスマートに完成させたのは素晴らしいと思うのです。

ルールはシンプルですが、美麗なアートワークと実在のアメリカの地名が出てくることで、プレイ体験は豊穣に感じます。例えば、ロサンゼルスからマイアミまでの東西の長距離路線を繋げることができたら、単純に嬉しいのです。

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『チケット・トゥ・ライド』は、鉄道というテーマから、路線を引くという要素1つを絞って抜き出して、手番のアクションを、カードを集めることとカードを出すことのたった2つにしました。徹底的に簡素化しているのです。

特殊能力や例外ルールはありません。何よりも全体ボードをみると、ゲームの進捗状況が一目瞭然です。やることは直感的であり、ロマンもある。言うことありません。

ヨーロッパ版では建物が出てきたり、インドマップでは輪のボーナスがあったり、他のシリーズでは新たなルールが追加されたり、バランス調整がなされていますが、無印のアメリカ大陸のチケライが個人的には一番のおすすめです。

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さて、名作探訪シリーズ、いかがでしたでしょうか?これからも地道に続けていきます。もし面白かったら、是非、フォローをお願いします。


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