今、ここにあるリアルを五感で感じる
目覚ましに起こされずに起きた
コロナ禍になって2度目のゴールデンウイークの朝。
家族はまだ眠っている。
ウオーキングに出かける。
音楽は聴かない
携帯は持たない
1人で歩く。
生まれたての緑色をした公園の木々
子どもたちがお気に入りだった滑り台は新しくなった
鳥たちの声
グランドには朝の陽ざしに映える野球少年のユニフォームの白。
公園を抜け
アカツメクサの草むらを横目にまっすぐ進み
海沿いの遊歩道に出る。
空気の匂いが変わる。
右手のCOLUMBIA号の赤の煙突は相変わらず行儀よく並んでいて
プロメテウス火山は休山中
左手の海は穏やかな薄い青で
遠くに見えるゲートブリッジは横たわったドラゴンのよう。
私の隣をさっそうと駆け抜けていった彼女につられて
少しランニングしてみた。
地面を踏みしめる感じ
一足ごとに内臓に伝わる振動
(あー。やっぱり歩こう)
足を止めたとたん
鼓動が私を内側から激しく叩く。
情報の海に翻弄されないように
自分で創り出した
起こってもいない不安に飲み込まれないように
「今ここにある」現在地点の自分自身を確かめる。