見出し画像

紙一重の先入観【コナミスポーツクラブ 目黒青葉台Ⅳ@中目黒駅】(2/2)

 中目黒駅から山手通りを池尻大橋駅方面に歩いていると、ほどなくして今日の目的地にたどり着いた。

「まさか、この中に入る日がくるとは」

画像6

 そう、今回やってきたのは、ドン・キホーテ 中目黒本店に併設されている大型ジム「コナミスポーツクラブ 目黒青葉台Ⅳ」である。実はこの店舗の前は今までに数え切れないほど通過したことがあったのだけれど、自分がジムに通う発想を持っていなかったため、その存在については他人事のように捉えてしまっていたのである。

 このスパを利用するためには、まずは1,100円の入会金を支払ってコナミスポーツクラブに入会する必要がある。といっても、Webから入会手続きを行えば施設利用に使える1,100円分の商品券を手に入れられることがわかっていたので、平日のスパ利用料金が税込990円、休日が1,100円ということを考えると、あらかじめ手続きを行っていた僕は実質的に入会金のみで初回のサウナを利用できることになる。しかも、その後の月会費は発生しないため利用する時だけ都度支払えば良いのだ。

画像1

(公式サイト:https://www.konami.com/sportsclub/riyo/fitness/webentry/ )

 店舗に到着したのは14時を少し過ぎた頃だった。さっそく中に入り、エレベーターで2階に移動して靴を下駄箱に入れて、フロントのスタッフに今日が初回の利用で、Webからすでに入会登録を済ませたことを伝えると、案内できるまでしばらく待って欲しいとのことだった。笑顔で丁寧な接客に好感が持てる。
 たまたま混雑していたタイミングだったためか、それから20分ほど近くのベンチに座っていると、ようやく本登録と初回ガイダンスの案内が始まった。本人確認が行われ、その場でタブレットを使って簡易的な写真撮影をされたのち、会員証を渡されて施設の利用方法について10分ほどかけてレクチャーをされたのだが、静脈認証のシステムが導入されていたことには驚いた。これで次回以降はスムーズにチェックインができそうだ。

画像2

(転載: https://information.konamisportsclub.jp/ksc/004446/facility.html )

 その流れで、僕は「Web入会特典の商品券を使って今からスパを利用したいのですが」と伝えると、目の前の画面上で案内に従って操作を行い、無事にチェックインをすることができたのだった。なお、退館時には会員証を機械にかざしてチェックアウトをする必要があるが、一度チェックインをすれば館内で夜まで過ごすことができるのはありがたい。タオルがついていないことは事前に調べていたので、今回は自宅からタオルを持ってきていたのだけれど、レンタルも可能だ。

 フロントの脇の通路を奥に進むと階段があり、3階に移動すると広々とした空間が広がっていて、そこには自動販売機や休憩用のベンチ、そして男女それぞれの浴場へと続く暖簾が見えた。
 男湯のほうに進むと、清潔感のある広々とした脱衣所にはロッカーが無数に並んでいて、そのさらに奥に浴場を確認することができた。
 そこで準備を済ませた僕は、ロッカーに会員証を差し込んで施錠をして、いよいよ浴室へと足を踏み入れた。

「もはやスーパー銭湯じゃないですか!!」

画像4

(転載: https://www.konami.com/sportsclub/wellness/spa/ )

 正直、驚いた。ジムの一部にスパ施設があるのかと思いきや、スパ施設単体でも十分過ぎるほどの設備が整っていたのである。

画像3

(転載: https://information.konamisportsclub.jp/ksc/004446/facility.html )

 僕はさっそく身を清めて、お風呂で体を温めることにした。浴場には大きな浴槽のほかに、ジェットバスや強力な打たせ湯などもあり、さまざまなお湯を楽しむことができるようになっている。

「では、行きますか。……ん?」

 体の水分をタオルで拭きとり、いよいよサウナ室へと向かった僕は、ここでさらに驚くべき事実を知ることとなった。なんと、ドライサウナだけではなく、ミストサウナもあるのだ。
 サウナが2種類以上ある場合、僕は温度が低そうなほうから入るようにしている。そこでミストサウナの中に入ってみると、その中は想像よりも広くて、壁際には5脚の椅子が並んでいた。
 そこに腰をかけて脱力してみると、今までに入ったミストサウナと比べて優しい温度の蒸気に包まれたのだった。体感では40℃程度だろうか。呼吸は苦しくなく、とても居心地がよかったのだが、常に霧吹きでお湯を吹きかけられているような状態だったために、気づけば全身は汗ではなくミストでびしょびしょに濡れてしまっていた。まるでエンジェルフォールの真下にいるような気分だ(※行ったことはない)。
 ミストサウナは自分を追い込むためというよりも、リラクゼーション効果や美容効果が期待できそうなセッティングだったため、そこに数分ほど滞在したのちに、僕はドライサウナへと移動した。
 ドアの前にはサウナマット用のビート板と消毒スプレーが用意されていたので、体の水分をタオルで拭き取ってからビート板を手に取り、そっとドアを開けた。

「えっ、めちゃめちゃ広い!!」

 サウナ室の中は、物理的には30人以上が座れるほどの広さが確保されていた。といっても、この日は感染対策のために間引きされていて、17人までの入室制限がかかっていたのだけれど、それでも十分なキャパである。ベンチは三段構造になっていて、湿度は比較的低く、温度は90℃を指している。
 僕は空いている上段に腰をかけて、正面のテレビの音に耳を傾けながらじっくり蒸されていると、次第に心臓の鼓動は激しくなり、徐々に全身から滝のような汗が流れ始めたのだった。
 僕は立ち上がり、サウナ室を出てすぐ正面にある水風呂に、全身の汗をシャワーで洗い落としてから肩まで沈み込んだ。

「おおぉぉぉ!! 気持ちいい!」

 温度は17℃前後でバイブラはなく、十分な広さが確保されていたために快適に身体を鎮めることができた。そこで30秒ほど深呼吸をしていると、次第に意識がぼーっとしてきて、視界が揺らぎ始めたのだった。

ーーそろそろ出よう。

 僕が次に向かった先は露天スペースである。今まで何度も素通りしていた建物の中に露天風呂があったことに衝撃を受けたのだが、僕はそこにあるリクライニングチェアに横たわり、空を見上げて大きく深呼吸をした。

「はぁ〜、最高だ……」

 ジム施設のサウナは初めての利用だったが、まさかこれほどまでに設備やセッティングが整っていたなんて、本当に期待以上の体験だった。時間を忘れてしまうほど気持ちよく、僕の頭の中は空っぽになっていったのだった。

 そこで休憩したのちに、一呼吸を置いて目の前の露天風呂に浸かってみると、僕は意外な事実を知ることになった。先ほど僕が寝転がっていたリクライニングチェアの真上には、ドン・キホーテの巨大な看板が掲げられていたのである。まさか、遠くから何度も見ていた看板の真下で極上の快感を得る日が来るなんて、今まで想像すらしていなかった。
 結局、僕はそれから2セットをいただき、3セット目の仕上げに外気浴をしてからスパを後にすることにした。

ーーやはり、思い込みはよくないな。一歩踏み出して行動する勇気が、人生に彩りを与えるのだろう。

 カラフルな看板の下で、僕は自分と向き合っていた。

画像6

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/c/boccitokyo


いいなと思ったら応援しよう!

#連続サウナ小説 『ボッチトーキョー』byナオト
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます