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視野を深くする【恵比寿サウナー@恵比寿駅/代官山駅】(1/2)

 人間が最も目にしているものは、実は自分自身の ”鼻” だそうだ。もちろん定義によるし、一人一人の顔の形状は異なるのであくまで一般論の話ではあるけれど、多くの人は自分の鼻が見え続けているらしい。
 ただ、そう言われてもどうもピンと来ない。おそらく、僕を含めて多くの人は自分の鼻が視界に入り続けていることを認識していないのではないだろうか。
 実は、これは脳の作用が働いているためで、無意識に視界から鼻を消す処理が行われているそうだ。なぜそのような処理が行われているのかというと、視界に入り込む自分の鼻は、生きるためには余計な情報だからである。常に視界に入っているからこそ、いちいちその情報を認識して脳内で処理を実行し続けると、その他の情報処理に意識を向けにくくなるのだ。そのため、鼻に関しては存在を意識する以前に無意識的に視界から消すことで、そこに意識が向かないようにしているのである。

 このように、人間の脳は無意識のうちに自律的に働くことで、ある種の錯覚を起こして情報処理を行ったり行動をしたりすることがあり、むしろ自ら意識的に脳を働かせることよりも、無意識のままいつの間にか脳が命令を下していることのほうがはるかに多いそうだ。自分が感じ取った(と自覚した)ものが全てとは限らないのである。実際には目に見えていたり肌に触れていたりするものがあっても、その全てを認識し続けているわけではないのだ。
 このような例は他にもある。たとえば、布が部分的、一時的に肌に触れたら「いま何かが当たったな」と意識ができるものの、肌に触れ続けている衣服に対して意識が向くことはほほとんど無い。
 そう考えると、無意識に行動していることの中にこそ、自分自身のポテンシャルは潜んでいるのではないだろうか。認識をしていないだけで、もしかしたら実際は鋭い知覚を持っていたり、豊かな感受性が備わっていたりするのかもしれない。

 そんな自分自身と向き合うことができるサウナに、僕は出会うことができたのだった。それは2021年12月21日(火)のこと。数少ないサウナ仲間と共に忘年会を兼ねて向かったのは、恵比寿エリアに新規オープンした先進的なサウナ施設、その名も「恵比寿サウナー」だ。

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ーー後編に続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

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#連続サウナ小説 『ボッチトーキョー』byナオト
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