パースニップ栽培 種まきから収穫まで
パースニップについて
パースニップは、ニンジンの姿に似た淡いクリーム色をしたセリ科の根菜。日本のスーパーで見かけることはほぼないが、古代ローマ時代から栽培されているヨーロッパでは離乳食に使われるほど一般的で、様々な料理で使われている。
パースニップには、爽やかで独特の芳香があり、ピーラーで皮を落とす時も、オーブンで焼いている時も食欲をそそられる香りがふわっと広がる。加熱するとスイーツの様に甘くなり、ジャガイモよりもホクホクとした軽い食感でとても美味しい。
そんなパースニップを4年前ほどから自分で育てている。ヨーロッパ北部の冷涼な気候が栽培に適しているとされているが、日本でも問題なく栽培できる。千葉県北西部での栽培は、3月上旬に種をまいて7月に収穫する春夏栽培と、夏に種をまいて翌春に収穫する冬越し栽培、どちらも可能だが、ここでは春夏栽培の様子を紹介。
パースニップの種まき
種まきは、筋まきか点まきで覆土は薄めにし、土が乾かないように発芽まで水やりを続けることが重要。発芽が揃うまで2〜3週間かかるので、霜除けと乾燥対策として不織布で覆っておくと安心です。
土づくりは、米ぬかと牡蠣殻石灰を入れて深く耕し、土の状態によっては堆肥を適量入れています。
発芽から1ヶ月で本葉4枚ほどに成長。株間が5cm程度になるまで間引きしながら育てます。
元肥が少ない場合、中耕を兼ねて、有機肥料や炭化鶏糞などを株元に追肥しても良さそう。栽培期間が長いので一度は追肥するようにしています。
発芽から2ヶ月半が経過した5月中旬の様子。パースニップは害虫被害が少ないので育てやすい。暖かくなるとキアゲハの幼虫が葉っぱを食べている姿を見かけるが、1〜2匹なら被害も少ないので成虫になるまで放っておいています。
発芽から3ヶ月半が経過した6月中旬。連日30℃越えるような夏日が続いても、パースニップはバテることなく育ち、腰を越える高さまで成長する。
パースニップの収穫
7月に入ってから順次収穫します。なかなか抜けないほど根深くなるので、一度下にグイッと押し込んでから引き抜くと収穫しやすい。
パースニップは固定種なので成長にバラツキがあるが、大小様々なサイズを収穫して使い分けることができるのも家庭菜園の魅力のひとつ。
収穫後は、葉を落とし、新聞紙や梱包紙などで巻いて冷蔵庫に入れておくと、2ヶ月は鮮度を保ったまま保存できる。冷凍なら半年以上も保存できるので、一度にたくさん育ててしまっても問題ない。
パースニップの種
平べったい形をしたパースニップの種子をマクロ撮影した。ニンジン、パクチー、クミン、フェンネルなど、セリ科の種子はどれも特徴的な芳香があるが、パースニップの種も同様に独特の香りがする。