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読書記録 | 私は「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズに何を読まされていたのか
しばらく置き去りにしている盟友ジャン・ジャック・ルソーの「孤独な散歩の夢想」が私にとって少し難解な読み物だとすると(とは言え訳文によれば読み易いものもあるらしいが)、またそれとは別で終わりまで何を読まされたのか分からないものもある。
たとえばカフカの「城」であるが、これはきっと再読を促すものに違いなく、あの退屈に感じたたらい回しやお内儀とのやり取りも、もう一度読めば少し違ったものに感じるであろう。
そしてもうひとつは、SF小説の部類に属するであろう「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの新潮文庫の三部作である。
元はと言えば旧装のカバー画が可愛いかったのがきっかけで収集に至ったものであり、古書集めの導火線に火を点けた一冊に違いなく、発刊もちょうどわたしの幼き年頃のもので妙に親近感が湧いたものであるが、いざ読んでみるとなると、そのカバー画の可愛さに反し「一体何を読まされているんだ?!」といった感が、三部作のいずれにも感じたのである。
いずれの作品も読んだあとに話の筋が何も記憶に残っていないのだが、殊にその代表的なのが、三部作の三作目である「宇宙クリケット大戦争」である。
正直内容は今持って何も憶えていないので説明がつかない。
しかし初期作にあったすべての謎を解くであろうキーワード「42」というのはどこでその実態が明らかになったのだろうか。それもよくわからない。
きっと三部作のどこかで言及されてはいるのだろうが、わたしの理解力の乏しさでは到底追い付かない。
かと言って内容自体は難しいものではなく、「ボートの三人男」を彷彿とさせる英国然としたほのかな気品と、ほのかなおとぼけ具合は好きな人にはたまらないかもしれない。
影の薄い主人公をよそに、銀河で大暴れする旅の仲間たちが当シリーズニ作目の「宇宙の果てのレストラン」では際立っているのも、よく分からなかった中でも印象深いものである。