自前主義や社内の凝り固まった考えからイノベーションは生まれない
最近は生活の主な局面で日本企業よりも外資系の躍進が目につきます。スマホやPCのようなデジタル家電、EV、オンライン・フードデリバリー、キャッシュレス決済などFinTech、定額制動画配信、コロナ・ワクチンのような薬品など。外資のほうがイノベーションに積極的でグローバルにマーケティングをしているのです。日本企業ではなかなか生まれないイノベーション。大きな課題です。どういうわけか、日本企業は変わらなければならないタイミングになると「これまでやってきたことを強化する」傾向にある。実に不思議です。
共創マーケティングとは、突き詰めるとイノベーションを生み出すことでもあります。これまでと同じことをしていては消費者が本当に求める製品を作ることは難しい。これまでの経営資源では、変化の激しい競争環境で脱落してしまう。そのような危機感と必要性から共創が有効なアプローチです。イノベーション、つまり、ありきたりの製品ではなく、これまでとは違う、新しい価値を生み出すことが狙いです。自前主義や社内だけの凝り固まった考え方からイノベーションは生まれません。仮に生まれたとしても、往々にして古い考え方の人たちによって否定されてしまう。なぜなら理解されないのがイノベーションだからです。こうして古い考えの企業を、新しい考えの企業が易々と抜き去るのです。
イノベーションを生むには社外の視点や新しいアイデアを発見する「仕組み」がまず必要。これまで僕が公開セミナーやマーケター向けのウェビナーでも紹介してきたアイカ(eYeka)のように、いまではイノベーション・プラットフォームを活用するのが手っ取り早い。2週間で100近くのアイデアが世界中から集まります。そして次に、新しいアイデアを謙虚に受け入れるのだという「自覚」が大事なのです。狭苦しい社内の了見だけでアイデアを見ていると、ダイヤの原石が単なる石ころにしか見えないことは少なくありません。アイデアの良さを見ずに突っ込みを入れる感覚で眺めていることも少なくないものです。仕組みを活用すること、受け入れてみること。共創とはこの2つを前提にします。