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「なりわい暮らし」〜ゆとりの時間がくれたもの〜(前編)

vol.41 〜ブルースタジオ語録シリーズ第4回〜

今回は、
ブルースタジオがこれまで提案してきた
色んなカタチの「なりわい暮らし」について、
お話してみたいと思います。

その前に、改めて「なりわい」という言葉を調べてみました。

辞書的な意味では、
世わたりの仕事。すぎわい。よすぎ。
とあります。

古くは日本書紀にも、
「なりはひは天(アメ)の下の大きなる本(モト)なり」
(訳:農業はこの世の中のいちばん大きな根本である。)
(※出典:日本書紀 崇神紀)
と、この言葉が登場しています。

つまり、
生活するための仕事
世過ぎ(よすぎ)=世渡り、渡世、生活
といった具合に、
生計を立てる仕事という意味に加えて、
社会に属して暮らすというニュアンスもあるようです。

そんな「なりわい」という言葉を、
「なりわい暮らし」として、
ブルースタジオがお伝えするようになった
きっかけとなるプロジェクトについて
まずはご紹介したいと思います。

ブルースタジオのなりわい暮らしの始まり


4年前に設計した「鵠ノ杜舎」という賃貸住宅があります。

この鵠ノ杜舎は、茅ヶ崎や江ノ島に程近い、
神奈川県藤沢市鵠沼という場所にあります。
テラスハウスタイプの10棟が小道を挟んで並び、
各住居の玄関側には広いデッキポーチ、裏側には専用庭が設けてあります。

玄関はガラス窓と木の引き戸になっていて、
デッキポーチの先の通りから、
暮らす人の生活が垣間見える作りになっています。


また、敷地内には井戸端広場という畑に面した広場や、
建物のすぐ裏手に貸農家園の畑が広がっています。

榎の丘と畑に面した自然あふれる立地は、
時間がふと止まったような瞬間を演出してくれます。

そんな鵠ノ杜舎は、
「ゆっくりと日常を耕す舎」というコンセプトのもと、
この場所で暮らす人々が寄り添って生活できるアイディアを
たくさん詰め込んで設計した住宅です。

鵠ノ杜舎の暮らしが始まると、
住民の方の暮らしに少しずつ変化が生まれました。

東京から鵠ノ杜舎に移住してきたLさんは、
勤め先の会社でリモートワークが導入されたことをきっかけに、
週2日だけ出社して、
残りはリモートワークという生活をスタートしました。

そんな生活を繰り返すうちに、
だんだんと出勤すること自体に疑問を感じるようになって、
ついには会社を退職。
リモートワークをしながら、
必要な時だけ都心へ行くという生活に。

通勤時間が無くなった分、
サーフィンをしたり、畑仕事を始める余裕も生まれ、
更には畑で育てたハーブを、
マルシェで販売するまでに生活が変化したそうです。

「ゆっくりと日常を耕す舎」は、
今までの暮らし方を見つめ直す呼び水のように、
私たちブルースタジオが予期せぬカタチで、
暮らす人のなりわいを生み出しはじめました。

後編は、文字通りの「なりわい(生業)暮らし」の住まいとして、
ブルースタジオが手がけた、プロジェクトについてご紹介してみたいと思います。


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