空室の素質−公営住宅でトライアルステイ?
藤:公共事変第16回です!
前回、まちの居心地という話をしましたが、居心地というと「住居」のことも思い浮かぶんですが、公共と住居の関係ってどんなものがあるんでしょうか?
中:公共施設という観点でいくと、やっぱり公営住宅が最初に思い浮かぶよね〜
ちなみにフジモリくんは、公営住宅にどんなイメージを持ってる?
藤:入居するのには条件があって、民間の賃貸より安く住めるとかですかね?あとは地元の市営住宅とかは古くからありそうな風貌をしてました・・
中:だよね〜私の地元もそんな感じ!
そもそも公営住宅って、高齢者の方とか、色々な理由で働けなくて所得が思うように得られないような人のために、低廉な家賃で住環境を得られるセーフティーネットの役割を果たしているんだよね。
だから入居には所得制限もあるし、中心市街地からは少し離れた場所に立地してたりもするわけです。
藤:ちょっと前に「健康で文化的な最低限度の生活」って漫画原作のドラマが話題になりましたけど、主人公が公営住宅風の住居を訪ねていく様子が描かれていた気がします・・・。
生活を送っていく上で居住空間が確保されていることってとても大切なことですよね。
中:そんな役割を担う施設だから、公共施設として完全に無くすことはできないんだけど、古い建物だから断熱性能も良くないし、いまだにバランス釜のお風呂っていうところも多いんだよね。
人口減少社会の中で空室も増えているけど必要な施設ではあるから、建物の老朽化も進んでるし建て替えとか再編のことを考えなきゃいけないけど、建て替えるのにもお金がかかるし、どうしたものか・・・というのは、全国どこの自治体も抱えてるお悩みなわけです。
藤:そう思うと、morinekiは本当に革新的なプロジェクトですね...!
▼編むブルースタジオの記事でも紹介してますのでぜひご覧ください。
中:ほんとに!ぜひ全国に広がって欲しい仕組みだな〜と思うよ!
でもmorinekiの話は、入江さんの本を読んでもらうのが一番良くわかるので(笑)
PPPとは違う視点で、これからの公営住宅ってどんな在り方を目指せるのか?ってお話しをしたいなと思います!
藤:公営住宅のこれから!中島さんはどんな形を妄想されてるんですか?
中:そもそも、なんで公営住宅の家賃を安くしたり維持管理費を自治体が負担し続けられるかというと、公営住宅法とかで定められてる基準・使い方を満たすことで国から補助金をもらっているからなのね。
そしてその基準を満たさない=目的外使用ってなると国から補助金がもらえなくなっちゃうっていうのが、公営住宅で空室が増えても対策しづらい理由の1つなんだよね。
あとセーフティーネットの役割なので、空室も一定数確保しておかなきゃいけなかったりもするんだけど。
藤:そうなんですね。。存在し続けるためにはルールの中でこれまで通りに利用していくしかないんですかね。。
中:でも公営住宅の中でも、やっぱり人気なところと全然人気がないところはあるんだよ、特に生活利便が良いとかね。
逆に少し市街地から外れた立地だと人気がなくて空室が多かったりするんだけど、そういうところってちょっと見方を変えてエリアの魅力と一緒に売り出してあげることで、移住促進のためのトライアルステイの拠点にしていけば良いのにな〜と思うんだよね。
藤:確かに!地元の市営住宅を思い出してみると、駅から離れた丘というか小山の上にあるんですが、確かに市街地ではないけど、車があればそこまで不便もないし、街を一望できるいいところではあるよな〜と思ったり。
中:丘の上、いいね!気持ち良さそう!
でも実は制度も色々と緩和されてきて、公営住宅の何室かを移住促進のために改修して募集してる事例はあるんだよね。
でも謳い文句は軒並み一緒で「安くお試し居住できますよ」「こんな間取りですよ」ってことしかホームページに載ってなかったりするのよ。
藤:それはちょっともったいないですね。もちろん安さとかはハードルを低くする一つの要因かもしれないですけど、それだけじゃ暮らしのイメージが沸かないような。。
移住することってそのまちに今住んでいるところにはない魅力や価値を見出したから住み替えてみたくなることなんじゃないかなと〜!
中:うんうん。そもそも公営住宅自体が、古いとか立地が良くないとかあまり良いイメージ持たれてないことが多いから「家賃安いです!」って言われても、そもそも「古くて良いイメージないし、安くて当たり前やんけ・・・」と思われちゃうわけで。
価格とか住宅設備だけで勝負するんじゃなくて、その公営住宅の日常生活圏の魅力をちゃんと発信してあげることで「こんな素敵な場所にお試しで住めるの!?」って思わせないといけないんだよね。
藤:確かに。そういうことだとやはり、地域の日常風景を知れると良いですよね。
中:そうだよね。だから街中の空き家を改修してトライアルステイしてみませんか?って言ってる自治体もあるんだけど、公共施設を減らしましょう!って言ってる今の時代に、資産(公共施設)を増やすのはどうなの?と個人的には思っていて。
それよりも今持ってる資産を有効活用して、空き家とかはちゃんと空き家バンクで活用した方が良いんじゃないかな〜って、思うわけです。
藤:トライアルステイだと旅感覚でそこにしばらく滞在したいっていう人も増えるかもしれないですよね。もしかしてホテルとかにしても良いんじゃないですか?
中:それも面白いね!稼働率上げるのが大変そうだけど(笑)住んでるように見える人、実は全員旅人です!みたいな(笑)
でも移住した先の地域に溶け込めるか?っていうのは移住する人にとってはすごく重要で、持家率の高い地方の場合、居住者の入れ替わりが多い賃貸住宅とか外の人が来る宿泊施設があるエリアって、地域の人も「外の人がいる」っていう環境に慣れてるから、実は移住のハードルを下げてくれるのかもしれないね!
藤:確かにまずはそのまちを体感できるような環境に滞在することでそこが好きになっていくってことはありそうですね!公営住宅と移住が結びつくとは思わなかったです!
中:後半またしても妄想事変になってましたが、今回のお話はこんなところで!
今日は友達の家に突撃して映画でも観ながら朝まで宅飲みでもしてきたいと思います〜!
また次回も、お楽しみに〜!!