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映画『最後の乗客』

辛い思いをした日を " 特別な日 " にしたくない
あの日を体験した者しかわからず、かつ体験者にしか言えないのかもしれないこの視点が貫かれているから、コピーに書かれたような「感動のヒューマン・ミステリー」というだけの作品にはなっていないと思った。

ユーロスペースは久しぶり

55分の上映時間。観る前は特別に感じていたけれど、終わってみれば2時間を超える映画と何ら変わらない印象で、時間の長短は表現の質とは関係ないことがわかる。しかし、作品の質を決定する要素のひとつではあったと思う。この映画においてのそれ…55分は、きっとジャストだった。これ以上でもこれ以下でもなかったのだろう。1時間にも満たない時間の中に詰まっていた人の温かみが沁みた。

岩田華怜が演じた " みずき " は、登場人物としてだけでなく、脇を固めるキャストの演技も相まって、好演…というひとことでは表せない映画の柱として存在していた。

どうしようもない悲しみ、後悔、切なさは、人の強い思いや想いによって救われることがあるのかもしれない。思いや想いを " たましい " と置き換えてみれば、やはりそれが救ってくれるのだという気持ちになるかもしれない。あらゆる人に希望と笑顔を。そう祈らずにはいられない。

同デザインのフライヤーには " ど感涙! " の文字が躍っている

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