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映画『ラストソング』
神保町シアターで開催されている『一度はスクリーンで観ておきたい-忘れられない90年代映画たち』という楽しい企画(2024年6月29日(土)~8月2日(金))。しかも、何らかの事情で映像作品(DVD、Blu-lay)化もされず、配信もされない作品を中心にセレクトとのこと。その中に『ラストソング』のタイトルを見つけたので観に行った。
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本木雅弘と吉岡秀隆のW主演。監督は『北の国から』シリーズの杉田成道。博多から上京するロック・バンドが描かれるという設定もあり、以前から観たかった映画だ。ただし、94年公開の " ロック・バンドが描かれる青春映画 " である。2024年に観て何を感じるかは自分なりに鑑賞前からわかっていたので、その辺はフラットに、とにかく楽しもうと思っていた。はたして…。
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若きキャスト陣の演技・演出のツッコミどころを含め、事前の予想を裏切らない90年代的展開を存分に楽しめた。この映画を2024年に観て " そりゃないだろう " とケチをつけるのは野暮である。ヴォーカリストが本木雅弘でギタリストが吉岡秀隆のバンドをスクリーン上で楽しむことが正しい鑑賞方法なのだ…と思う。博多から上京する設定はいくつかの実際のバンドを想像させるが、音楽に甲斐よしひろと長岡和弘が関わっていることと、ドラマー役のルックスが若き甲斐よしひろにそっくりだったのもあり、甲斐バンドを想定する人はいるかもしれない。制作当時は、実際のところどんなバンドをモデルにしたのだろう。少しだけ興味はある。
映画で流れる音楽の作者は、甲斐よしひろの他に辻仁成の名があったりするし、何より吉岡秀隆が作詞と作曲を手がけたオリジナルであるタイトル曲も本格的で聴かせてくれるし、しかも、映画のサウンドトラックを担当するのは、あのニッキー・ホプキンスなのである。そうはいってもあくまでもサウンドトラックなので、洋楽ファンが期待するような音を聴くことはできないのだが、決して音楽を適当にしていないところは評価できる。
それにしても、歌う俳優、歌える俳優、歌っている俳優は今も数多くいるが、この映画だけでなく、過去に3枚のオリジナル・アルバムも発表しているほどの活動をしていた吉岡秀隆は、音楽活動を再開すべきではないか。映画のクライマックス。稲葉一矢のライヴ・シーンを観て、そんなことを思った。
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