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映画『雪の花 -ともに在りて-』

時代劇は得意としていないし、もちろん積極的に観ることはないのだけれど、映画だけで無くドラマも含めれば、偶然ではあるが、ここ最近はふれることが少なくない。『碁盤斬り』に『侍タイムスリッパー 』はとても楽しめたし、ジャンルにこだわる必要もないのかもしれない…なんて思うようになっている。

小泉堯史監督作を観るのは『雨あがる』『阿弥陀堂だより』『博士の愛した数式』『峠 最後のサムライ』に続き5作目。意識しての結果ではないのだが、振り返ってみれば、決して強烈な印象が残っているとは言えないにせよ、映画を観たなぁと思わせてくれる気持ちのよい作品たちだったと思う。

松坂桃李と芳根京子が美しすぎて舞台となる時代から浮いているように感じないでもないし、天然痘と闘う医師が描かれる割には、その恐ろしさがリアルに表現されるわけでもない(吹雪の山越えのシーンのみリアルに描かれていたが)。この辺りが観る人によって評価が別れそうなポイントかもしれないが、何を期待して観るのかも人の数だけあるし、だいいち映画に関わらず発表された作品は観た人のものでもあるわけで、その意味で僕は楽しめた。

日本の四季、高い志、無私の心など、今後の未来には失われてしまうかもしれないものが、やはり衰退と言われる時代劇で描かれているようで感慨深かった。

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