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映画「わが母の記」を観て
8月20日、「わが母の記」という映画を観た。2012年日本映画で、原田 眞人監督の作品だ。原作は井上 靖。
キャストは、伊上洪作役の役所広司、八重役の樹木希林、琴子役の宮﨑 あおいなどである。
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あらすじは、
幼少期に両親と離れて育てられたベストセラー作家の洪作は、社会的に成功し、家庭を持った今でも母・八重に捨てられたという想いを拭えないでいた。そんななか、父が死去し八重の痴呆が進行。妹たちの手に負えなくなった八重を洪作が引き取ることになり…。
と、いったところから始まる内容。
で、観終わっての感想。
母親の無償の愛を感じた
この映画の中で一番僕が感じたのは「母親の無償の愛」だった。
そのシーンは、特に最後に来る。
認知症になった八重は、沼津の海岸まで、長距離ドライバーの力を借りたどり着く。そこで、なぜ母がここに来たのかが、わかるのだ。
まさに、その理由は無償の愛である。
子どもの記憶と、その理由には、ズレがあった
それまで、洪作の記憶には、少年期に母に捨てられたものしかなかった。
だから彼は、母親との一定の距離を保っていたのかもしれない。
しかし、やはり実の母親には、そうせざるを得ない理由があったのだ。
好き好んで、離れ離れになったわけではない。むしろそれは、昔のしきたり的なものでもあった。
洪作は母親の本当の気持ちと、最後に触れ合うこととなる。
そう、思い違いや誤解みたいなことって、色々なところで起きているのではないだろうか。
琴子をはじめとした、母をみる人たちの愛を感じた
それにしても時代のせいなのか、琴子をはじめとした周りの人たちの、認知症の母親をみる姿が、何とも愛にあふれている。
今の時代は、心に余裕がないのか、介護疲れが各地で起きている。
でも、この映画の母親に対する対応が、今の時代ではないような愛を感じてしまうのである。すごいなぁ・・・、とにかく感心してしまうのである。
人を許す気持ちの大切さ
もう一つこの映画で、心の中で確信したことがある。
それは、「人を許す気持ち」である。
人は、生きていると、様々なことに遭遇する。その人生は誰もが平たんでなく、様々なトラブルも起きたりする。
その時に「人を許す気持ち」を持つことが、いかに難しいものかを見な感じていると思う。
主人公の洪作は、最後に理由を知り、今まで持っていた母親への許せない気持ちを手放すのである。
そう、この気持ちこそ、愛の一つなのではないかとボクは思うのだ。