映画「リバー・ランズ・スルー・イット」を観て
1月2日、「リバー・ランズ・スルー・イット」という映画を観た。
英題は「 A River Runs Through It」。1992年のアメリカ映画で、ロバート・レッドフォード監督の作品だ。
キャストは、ノーマン役のクレイグ・シェイファー、ポール役のブラッド・ピット、マクリーン牧師役のトム・スケリットなどである。
あらすじは、
というといった内容。
で、観終わっての感想。
フライ・フィッシングを通した親子のつながり
この映画の、胆になっているのは、フライ・フィッシングだろう。
父親と2人の息子。この3人のつながりは、近くのブラックフット川での釣りを通して、深くつながる。親子や兄弟関係ではなく、大自然と人間として、その関係を超えるようなものが醸し出される。
そして、3人がそれぞれの道を進もうと、心の奥底にある原点でもある。
なので、ここで釣りをすれば、一気に昔に戻してくれるのである。
次男ポールの魅力
次男のポール。彼はブラッド・ピットが演じているのだが、まさにはまり役。次男のヤンチャぶりを、存分に映像で見せてくれている。
そして、ポールからは、人間的魅力がプンプン匂ってくる。
子ども時代の、川下り。命の危険を顧みず、率先してその川下りの船に乗る姿。人間関係も、その”気さくさ”や”自由奔放ぶり”で、魅力があふれ出している。
成人時代も、久しぶりに会った母を抱き上げたり、原住民の彼女が差別されると勇敢にその相手に挑む。
新聞記者をしながら、一方ギャンブルにはまる。最終的に、そのヤンチャぶりで命を落とす。
でも、ポールらしいのだ。何とも憎めない。いつまでも心に残る男なのだ。
どの時代でも、ろくでもない奴がいる
ノーマンはジェシーに求婚する。最終的には結婚に至る。
問題は、彼女の兄。絵に描いたような、ろくでもない奴である。
「どの時代にもいるんだなぁ・・・こういう奴。」と思ってしまった。
彼のナルシストぶりが、すごい。その家庭の扱いが、彼をそのような人間に育ててしまったのも伝わってきた。
そして、女性への口説き方も、ダサい。だから、ろくでもない女性が引っかかる。そして、釣りを誘って遅刻。用意していたビールをすべて飲み、酔っぱらって火傷のような日焼け。
もう、笑ってしまうほど、ろくでなさを発揮してくれていた。
人生は短い
最後の場面。
年老いた兄ノーマンが、フライ・フィッシングを一人でしている。
彼は人生を振り返る。
そこには、思い出がたくさん出てくる。
しかし、弟を含む家族は全員この世にいない。
妻のジェシーにも先立たれた。
このシーンを観て、人生の短さを感じた。
そう、人生はあっという間に過ぎてゆく。
様々な出来事があっても、それはすぐに過ぎ去ってしまうのである。
釣りをするノーマンを見て、人生のはかなさが、ジワジワと伝わってきた。