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映画「少年の君」を観て

12日30日「少年の君」という映画を観た。原題は「少年的你」。2019年の中国香港合作映画で、デレク・ツァン監督の作品だ。

キャストは、チェン・ニェン役のチョウ・ドンユィシャオベイ役のイー・ヤンチェンシーなどである。

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あらすじは、

いじめが主題の中国映画。孤独な女子高生チェン・ニェンは成績優秀で、大学受験を一ヶ月後に控えていた。一流大学に進めば輝かしい将来も夢ではない。貧しい母子家庭に暮らすチェン・ニェンは、いじめが横行する進学校で、受験だけに集中しようと必死だった。ところがある日、チェン・ニェンは、不良たちにリンチされるチンピラのシャオベイを、思わず庇ってしまった。
クラスメートの「いじめ自殺」について警察に話し、主犯格の女子生徒ウェイから狙われるチェン・ニェン。暴力に耐えかねたチェン・ニェンは、親しくなったシャオベイにボディーガードを依頼した。それでも大勢に囲まれ、髪を切られて裸の動画まで撮られるチェン・ニェン。責任を感じたシャオベイは、チェン・ニェンの無残に残った髪を剃って丸坊主にすると、自分の頭も剃り上げた。
いじめの主犯ウェイが変死体で発見された。疑われるチェン・ニェン。だが、逮捕されたのは罪を被ったシャオベイだった。青年刑事のチェン・イーはチェン・ニェンが真犯人だと見抜き、彼女を責めた。初犯で過失致死のチェン・ニェンなら数年の刑だが、前歴のあるシャオベイは遥かに罪が重くなるのだ。
全国統一入試に高得点で合格するチェン・ニェン。だが、直後に彼女は罪を認めて服役した。数年後、刑期を終えたチェン・ニェンは地味な教師になっていた。いじめられる弱いタイプの女生徒に付き添って歩くチェン・ニェン。その背後には、ボディーガードするシャオベイの姿があった。

出典:Wikipedia

と、いった内容。
で、観終わっての感想。

自殺者に、カメラを向ける異常さ

このシーン、許せないね。
でも、これって、現代の問題ではないかと思ってしまうのだ。
この高校生たちでなくても、いまボクらの国でも、
もし事故が起きたら、携帯で動画を撮る人がいるだろう。
それも、山ほど。
人を助けずに、動画を撮り、その上SNSでUP。
もう、これは、現代の異常さでもある。
これを異常だと思わないことが、すでに異常なのである。

いじめ問題の闇

この映画の中の、いわゆる「いじめ問題」。
かなり闇深く、それも、周りに分からないような「巧妙な手口」でのいじめが増えているということだろうか。
また、周りの無関心も、いじめに加担していると思わざるを得ないのだ。
それは、いじめっ子グループの一人にも当てはまる。
今までイジメていた側が、いじめられるケースである。
だから、一切関わらない無関心か、もしくはいじめる側に加担することで、自らを防衛しているのかもしれない。
まさに闇である。

いじめは親の問題でもある

主人公のチェン・ニェンの母親。とにかくひどい親である。
借金を抱え、子どもを置き去りに逃亡している。
なので、子どもがどういう状況になっているかなど一切気にしない。無関心そのものなのだ。

そんな中、主人公は強く生きている。
そこに襲い掛かるのが、いじめなのである。
そして、大人は守ってくれない。
教師は自分の保身に身をゆだねる。
何か問題があれば、生徒は置き去りで、他の学校へ飛ばされるだけ。
何の解決にも、ならないのである。

犠牲者は、いつも弱い子どもたちである。

刑事が嘘をつく、これってどうなの?

映画の中で、すごく違和感があった。
それは、捜査のために、刑事が嘘をつくシーン。
これは、中国だから許されるのか?
絶対だめだろう!と思ってしまう。
そのあたりが、この映画の嫌なところである。

最後に、主人公は事故のような形で、いじめる側のリーダーを階段から突き落としてしまう。その心情はすごく分かる。
でも、映画の真の加害者は、大人たちであり、無関心であり、社会全体なのである。
チェン・ニェンこそが、本当は被害者だと感じるのだ。

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