2月3日、「ブルー・バイユー」という映画を観た。
英題は「Blue Bayou」。2021年のアメリカ映画で、ジャスティン・チョン監督の作品だ。
キャストは、アントニオ・ルブラン役のジャスティン・チョン、キャシー・ルブラン役アリシア・ヴィキャンデル、エース役のマーク・オブライエンなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
法律に泣かされた人たち
この映画の主人公は、アメリカ人である。
東洋系の顔をしているが、子どものころからアメリカ人の養子縁組のもと、アメリカで暮らしてきた。
ところが、新しく制定された法律が、アメリカ人であることを認めなかったのだ。エンドロールでもわかったが、主人公のような境遇にある人は、アメリカには万を超える人数がいる。
法ができると、その恩恵を受ける人、そしてその逆の人が出てくる。
仕方が無いことではあるのだが、やっぱり本人たちにしてみれば到底納得できることではないだろう。
アメリカの警察官の質の低さを感じる
この物語の中で感じたのは、アメリカ人の警官の質の低さである。
映画で描かれるということは、少なからずあのような景観が存在するということだろう。この映画の中では、その最低の警官のせいで、人生が大きく悪い方向へ転がってゆく。あまりにも可哀そうすぎる展開。
さらに、暴行まで加え、裁判に行かせない。
とても腹立たしい気持ちになった。
お金が無いために、走らざるを得ない犯罪
この主人公。過去には犯罪歴があるが、少なくともこの映画の中の現在はまじめに生きている。彼には家族があり、幼い娘と妻、そしてこれから生まれてくる娘がいる。彼は、家族を養うために、それまで仕事としていたタトゥの彫り士の仕事から転職しようと、就職活動をする。しかし、そこには人種の壁が出てくる。
でも、彼が犯罪に手を染めてしまうのは、そのためではなく、国外追放になることを阻止するための弁護士費用だった。
四面楚歌の中、犯罪をせざるを得ない状況に追い込まれてゆくのだ。
血のつながらない娘との絆
ボクが、一番胸が熱くなったのは、血のつながらない娘との絆であった。
「私はパパを選んだの!」の娘の言葉に、涙がツーっと目じりからこぼれた。血のつながりだけじゃないんだよね。人間同士のつながりは。
彼がその後、韓国へ行ってどうなるのかは分からない。
心の中で応援する自分がいたのは間違いない。