映画「奇跡をつむぐ夜」を観て
9月21日、「奇跡をつむぐ夜」という映画を観た。2024年のアメリカ映画で、原題は「Ordinary Angels」。ジョン・ガン監督の作品だ。
キャストは、シャロン・スティーヴンス役のヒラリー・スワンク、エド・シュミット役アラン・リッチソン、バーバラ・シュミット役のナンシー・トラヴィスなどである。
といった内容。
で、観終わっての感想。
人々の心がつながる奇跡に感動
この映画をひとことで言えば、人々の心がつながりの中で、大きな奇跡が起こる。そこに感動を覚える映画ではないだろうか。
今の時代は、残念ながら自分中心の人がほとんど。そんな時代だからこそ、元来人が持つ、優しさや他人への思いやりに感動してしまうのである。
シャロンのエネルギーが人々を動かす
しかし、この奇跡が起きるには、一人の情熱的な人が必要なのである。
それが、この映画の主人公でもあるシャロン。新聞記事を見て、彼女は直観を感じる。なぜかわからないが、移植の必要がある少女の力になりたいと思うのである。
ある意味、おせっかいの度を越したように見える行動ではある。でも、彼女自身は、その人助けにのめり込んでゆくのだ。そのエネルギーは並々ならぬものである。
この常識から逸脱するようなエネルギーが最終的に多くの人々を動かすことになる。
多くの人々から助けられた大切な命
シャロンのアグレッシブな行動。その人並外れた発想。人を動かすパワフルなエネルギーが、奇跡を生む。
多くの人々が、少女の臓器移植を阻む悪天候に対し、知恵を出し合い、現実に不可能を可能にする。
感動的だったのは、ヘリコプターの着陸シーン。
吹雪の中、着陸地点が見えないことに対し、地上にいる人々がカラフルな上着を敷き詰め、上空からも見えるようにするのだ。
このシーンは、さすがにグッときた。
実話であるがゆえに、感動が増幅
作り話であれば、ここまで心を揺り動かされないだろう。しかし、実話ベースであることで、感動が増幅する。
そして、人々の優しさが何とも言えない感動を呼ぶ。
映画のエンドロールで、元気になった少女の姿。そして、エドとシャロンが今でも友人関係にあると写真で紹介される。
それまで観てきた映画が、実話であることを、あらためて感じる。
ジワリと来る。
一見、踏み込みすぎのシャロンを、「行きすぎじゃないの?」と思ったりするが、彼女がいなければ奇跡は起きなかっただろう。
そう考えると、シュミット家の人からすれば、まさに命の恩人そのものである。