チェコの藍染め展をみに、京都へ②
「アポレンカ」とは、この絵本の表紙に載っている少女の名前。この少女、実はお人形。藍染め工房をしているおじいさんとおばあさんが偶然拾った人形なのでした。後継がいなくて子供を欲しがっていたおじいさんたちの前に少女の姿になって現れて。。という物語。
昔はたくさんあった工房が、現在ではたったの2軒しか残されていないという現状を耳にすると、このように自分の技術を教えたいという思いがあっても、跡を継ぐ子供に恵まれなかった、という人たちはきっと本当にいたのだろうなと感じました。
宇宙のような青い甕の中を覗き込んで、少女が自分の使命に気づいたところが一番好きな場面。どうやってこのような物語を生み出せたのだろう?と作者の方にお話を聞いてみたくなりました。
店内には、生地の他にも、「Violka(ヴィオルカ)」さんの藍染めワンピースやブックカバー、バッグなども。限定版の本の他に、チェコの藍で染められた布の商品をどれかひとつ欲しいなと思い、どれにしよう・・?と手に取りながら選びました。
色々迷ったけれど、こちらの敷物に決定!正方形の形も良く、真ん中の空いた部分に花瓶を置いた姿が思い浮かんで、お家でそうしてみようと💡
「これは土ににんじんが植えられている形かな」と柄の意味合いを想像したり、「このまま額に入れて飾るのもいいね」と話し合うのもまた楽しいひとときでした。
前に、世界の藍染めが紹介されている本を読んでから、海外の藍染めについても知ってみたい、と興味を持っていたところ、アトリエシムラさんでチェコにも藍染めがある!ということと、それを日本に紹介されている「Violka」さんを知ることができて、とても貴重な経験ができました。(京都まで行ってよかった!)
お店にあるものを見ていて、草花などの自然から生み出された素朴な可愛らしいデザインの中に、どこかチェコ独特の民族的な雰囲気も宿っていて、だけれど、濃い藍色と模様のコントラストを見ていると、どことなく日本的な要素があるようにも感じられて不思議な気持ちになりました。
そして、チェコに住んでいるときに、店先で藍染めの布を見て、日本を思い出したという小川さんの気持ちが畏れながら少しわかるような気がしたのでした。
今まで海外にほとんど興味がなかったけれど、藍染めを通してやっと海外の文化にも興味を持つことができるようになってきて、自分の中の視野が開いていっているような感じがしています。
チェコの愛らしい藍染めは、きっと若い人にとって「かわいい!」という入り口から興味を持ってもらえるきっかけになるでしょう。
お話を聞かせてくださった横田さん、「Violka」代表の小川さん、貴重な機会をくださり、ありがとうございました。