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もう二度と美容院難民にはなりたくない

髪を切った。
恐ろしいことに、前回美容院に行ったのは、調べてみると、ほぼ1年前の2024年2月1日だった。
その間、自分でたまに白髪染めをするだけで、あとは伸ばしっぱなし。1年も美容院に行かなかった(髪を切らない)なんて、もしかしたら人生で初めてかもしれない。

1年も行かなかった理由は2つ。
まず、体調が悪かったこと。再発がんの治療を始めたのが昨年3月で、それから半年は寝たきりのような日々。美容院に行って、カット、カラー、シャンプー、トリートメント、セットまでしてもらうと2時間半から3時間はかかるので、それに耐えられる自信がなかった。
もう1つは、髪の毛があまり伸びなかったこと。夏頃にも一度書いたが、副作用で甲状腺機能が低下し、その影響で抜け毛が増えた。私が受けている治療には、いわゆる「脱毛」の副作用はないので、ウィッグが必要になるほどではなかったが、確実に薄くなった。それに髪の成長も止まっていた時期があったのか、あまり伸びていない。

甲状腺の薬を飲むようになり、数値が正常に近づいていくと共に機能も回復していったようで、見事に抜け毛は止まった。抜けていたところからも新しい毛が生えてきた。ハゲるかと思っていたのでホッとした。
それで、本当は昨年末くらいに美容院に行きたかったのだが、バタバタで行けずに年が明け、先週ようやく行きつけの美容院に予約をとることができたのだった。

ネットで予約した時に、要望欄に現状を簡単に説明し、「とにかく薄毛が目立たないようにしてください」と書いておいた。
それで、当日会った時に、美容師さんに不躾な質問をされることはなかったが、「本当に前回来られてから、一度も切ってないんですか?」と不思議がられた。伸びていないことと、そのわりにはきれいだったこととで。

今通っている美容院では、決まった美容師さん(Mさん)に担当してもらっている。20代後半くらいの女性だ。
今回は、久しぶりだったこともあり、バッサリ切った。抜けて伸びてきた毛があるので、少しレイヤーを入れて、前髪も眉毛より上まで切った。
カラーはいつもアッシュ系ブラウンにしていたが、パープル系のブラウンにした方が明るくツヤ感が出るのでいいと言われ、オススメの色にした。
ヘアセットに関しても、肩より短くなったので、毛先はコテで外巻きにして、上の短めのところは内巻きにしてボリュームを出すようにアドバイスをもらい、頑張ってそうなるようにしている。(コテを使うのが苦手だから、毎回格闘!)

おかげさまで「薄毛感」は改善されたし、イメチェンにもなって、気持ちが明るくなった。短くなったからシャンプーや乾かすのも楽だ。いつも髪を洗うだけで疲れてぐったりしてしまうので、少しでも楽になってよかった。
と、いいことづくめである。
美容師Mさんに感謝!
行きつけの美容院があって、よかったなぁとつくづく思った。

気に入った美容院、美容師さんに出会うのは案外難しい。誰でも一度くらいは「美容院難民」になったことがあるのではないだろうか。

私は今の美容院に出会うまでは、梅田にある美容院に行っていた。その美容院に出会うまでの2、3年は完全に美容院難民だった。ネットで調べて良さそうなところへ行くのだが、リピートしようという気持ちにはならなかったのだ。
その理由は100%、美容師さんとの相性だ。チャラい若い男性だったり、偉そうな女性だったり、無神経な質問をする人だったり。美容師としての「腕」というよりは、人として「なんだかなー」と思うところがあった。
プロなのだから技術があるのは前提なので、やはり決め手になるのは「人」だと思う。特に美容師さんは接客業の中でも、1対1で長時間過ごすし、髪や体に触れる職業なので、人柄や相性は大事な要素だ。

梅田の美容院では気に入った女性の美容師さんに出会えて数年担当してもらっていたが、彼女は二人目の出産のため退職してしまった。他の美容師さんに担当が代わってからも2回通ったが、結局その人とは合わなくて、他を探すことにした。
それで出会ったのが今の美容院だ。

通い始めてまだ3年くらいだが、とても気に入っている。Mさんは若いのに腕もよくて、これでもか!というくらい長く丁寧にシャンプーとトリートメントをしてくれるし、一つ一つの作業に真剣で、余計な話などしない。
ただ、髪の毛に関してはいろんな提案やアドバイスをしてくれるし、仕事熱心なので、最初に担当してくれた時から好感がもてた。
他の美容院では、担当を指名しても、カットだけで、シャンプーなどは新人にさせるところもあったが、今の美容院は最初から最後までMさんが一人でやってくれる。そういう美容院の体制もいい。(時々、カラーでヘルプのスタッフが来て2人体制になることもあるが、人任せにすることはない)

ちなみに、私は美容院ではできるだけ黙っていたいタイプだ。もちろん多少は仕事や趣味の話などもするが、コミュニケーションの必要最低限くらいだ。
ただ、どの美容院でも、大きな声でずっとおしゃべりをしている美容師さんとお客さんが1組はいる。すごく楽しそうだ。そのお客さんは美容院で美容師さんとお話することを楽しみにしているんだろうな、と思う。それはそれでいいし、おしゃべりが好きな美容師さんもいるだろう。

私は自分の話はあまりしないが、わりと美容師さんの話は聞いてしまう。これはもう取材ライターの職業病みたいなもので、いろいろ興味が湧いてきて、つい質問してしまうのだ。
「どうして美容師さんになったんですか?」
「美容師さん技術向上のために勉強会とかしてるんですか?」
「美容師さんのコンテストってあるんですか?」
「新入社員、入ってきました?最初はどういう教育するんですか?」
など、雑談というより、もうほとんど「取材」である。
美容師という職業に就く人の気持ちや、業界のことに興味が出てきてしまうのだ。

いろいろ聞いてみると、このお店のオーナー(2店舗経営)が社員教育に熱心な方で、社外の研修や海外研修などにも行かせてくれるという。コンテストもあって、それに向けて頑張っているという話も聞いた。
Mさんも勉強熱心で、ちゃんと先を見て仕事をしていることが伝わってきた。そういうところも気に入って通っているのだと思う。

今回、1年ぶりに行って、「また来てくださって、本当によかったです」ととても喜んでくれた。私もいろいろ相談できる美容師さんがいてくれてよかったと思った。
「これからはまた2、3カ月に1回は来ますね」と言うと、笑顔で見送ってくれた。
外は寒くて、軽くなった首もとがスースーしたが、気持ちは明るかった。

行きつけの美容院があるっていい。もう二度と美容院難民にはなりたくないから、ずっとMさんには美容師さんでいてほしい。


ここ数日、体調があまりよくありません。
それでちょっと鬱っぽくなっています。
何か書いて気を紛らわせようと思ったけれど、字を見ていると目眩がします。
文章に変なところがあって、読みにくかったらごめんなさい。
明日は元気になっているといいなぁ。

あとがき

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