元旦ミッション、大成功!
今年の正月の「実家の集まり」は、我が家での開催だった。
毎年、私たち夫婦と姉ファミリーが実家へ行っていたのだが、両親も歳をとり、準備や片付けで疲れてしまうので、3年前から姉の家か私の家にしよう、ということになっていた。
去年と一昨年は姉の家に集まった。
今年はどうするか相談していた時、姉が「かおりは体調しんどいやろうから、またうちでもいいよ」と言ってくれた。
そうさせてもらおうかな、と思ったが、よく考えてみたら、どちらにしろ私はおせち料理を作る。
それで、「特別なご馳走はないけど、普通のおせち料理でよかったら、どうせ作るからうちでもいいよ」と言ってみた。
「それでいいよ!」と姉も乗り気になったので、今年は我が家で初めて開催することにした。
どうせおせちは作るから、というのは本当だが、実際にやってみると、夫との2人分を適当に用意するのと、人に出すものを7人分も用意するのとでは、かなり負担が違うということに、「大晦日の夜」に気づいたのだった。
それに、昨年はほとんど料理らしい料理もしない寝たきり生活が長く続いていたし、長時間キッチンに立つのも久しぶりだった。その疲労がすごくて、大晦日の夜にはもうふらふらだった。
元日の朝、布団の中で1時間くらい起きられずにいた。体が動かないのだ。腰がヤバい。
人をもてなすどころか、このまま1日寝ていたいほど疲れていた。
しかし、もう後には引けない。
12時からの予定を30分だけ遅くしてもらい、のろのろと起き上がって最後の力を振り絞って、根性で料理の仕上げをした。
仕出し屋である。
私が盛り付けの一例を作り、
「これと同じものを残り6人分頼むで!」
「へい!わかりやした!」
大将(私)は弟子(夫)に指示を出す。
キッチンは戦場だ。
昨晩作った料理を切り、盛り付け、ご飯を炊き、酢飯を作り、錦糸卵を焼き、刺身を切って手毬寿司を1つずつ完成させていく。
そうこうしている間に、チャイムが鳴った。
来た!!
姉と姪とお義兄さんが車で両親を迎えに行き、5人が一度に到着。
私は昔からホームパーティーが好きで、10人くらいは人をもてなすのに慣れているが、体調を悪くしてからはやっていなかったので、大慌てだ。
それでも身内なので、みんなにはくつろいでおいてもらい、「ちょっと待ってー」「あと少しやねん」とか言いながら作業を続けた。
時間までに完璧に用意しておきたかったのに!と悔しかったが仕方ない。
その頃にはもう腰が痛くて砕けそうだった。
そんな状態でもなんとか料理は完成。
全員が「すごーい!」「おしゃれー!」「おいしそー!」と、写真を撮りまくってくれて、私も満足しながらへたり込んだ。
みんなが「おいしい、おいしい」と食べてくれている間も、私は腰が痛くて座っているのも辛かった。食べるどころじゃないが、みんなに心配かけないようになんとか普通に食卓を囲んで、話を盛り上げた。
よく食べるうちの家族は、これだけでは全く足りないのはわかっていたので、あくまでもここまでは「前菜」である。
夫の作っているクラフトビールを取り扱ってくれている神戸ビーフのしゃぶしゃぶの店があるのだが、夫はそこでたっぷりと神戸ビーフを購入してくれていた。
肉が登場すると、大歓声があがった。
第二部の始まりだ。
さっきまでの料理をすべてかたづけて、テーブルにクロスを敷き、ホットプレートを持ってきて、今度は焼肉パーティーがスタート。
やっぱり神戸ビーフはうまかった!
脂身の甘さが違うのだ。
みんな食べる、食べる。
さっきあんなにご馳走を食べた後とは思えない食べっぷりだった。
(私は3枚くらいがやっと)
さて、これで終わると思うなかれ。私の大食漢一族をなめてはいけない。
第三部は、デザートタイムだ。
ケーキは姉が作ってきてくれた。
「美味しいとっておきの紅茶、マーガレッツホープ茶園のダージリンがあります」
「あと、コーヒーメーカーをツインバードに買い替えたら、とんでもなくコーヒーが美味しくなったよ」
と前置きしてから、「コーヒーと紅茶どっちがいい?」と聞いたら、コーヒーが苦手な姪っ子以外、全員が「両方〜!」と言った。
ああ、聞くんじゃなかった。わかっていたはずだ。
ほんまにこの人たちは貪欲なのだから。どちらかを選ぶわけがない。
私は紅茶係、夫はコーヒー係になり、人数分、両方を用意した。
さすがに全員がお腹いっぱいになり、私もやっと給仕から解放された。
私の腰がもうダメなのを夫はわかっていたので、みんなでしゃべっている間もせっせと洗い物をしてくれていた。それにはみんなが「テキパキしてるなぁ」と感動していた。
私も感謝の気持ちでいっぱいだった。
うちのややこしい、食いしん坊家族を、こんなにも満足させてくれて、本当にありがたかった。一人では絶対無理だっただろう。
17時くらいにはお開きになると思っていたが、居心地がいいのか、12時半に来て、18時半までいた。おしゃべりも尽きなかった。
私は時々、疲労で気が遠くなりそうだったが、最後まで耐えきった。
玄関まで送り、みんなの乗った車が見えなくなった瞬間、もう足腰が立たなくなって、部屋に戻るとソファに倒れ込んだ。
「よく頑張ったなぁ」と夫。
「ありがとうね!」と私。
そして、2人でハイタッチして、「大成功!!」
疲れた、なんてものじゃなかったが、それでもやり切れたことと、みんなが喜んでくれたことで、私も満足していた。
去年の私なら無理だったと思う。やっぱり良くなっているんだ。
その後、ちょっと横になったら、寝落ちした。
麻酔をかけたみたいな寝落ち。気づいたら寝ていて、起きるまでが一瞬に感じた。
こういう寝方は久しぶりで、本当に限界まで体力を消耗したんだなぁと思った。
こんなふうにハードなスタートを切った私の2025年。
でも、家族の笑顔に囲まれて、幸せな元旦だった。
今年も良い年にしよう、と思う。
とりあえず、元旦のミッション成功だ!