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京都の好きなお店で日本酒三昧。ああ、至福の時……

今年に入って初めて友達と3人で「外飲み」を楽しんだ。行ったのは、京都にある「サケホール益や」さん。京都の日本酒好きなら知らない人はいないであろう「益や酒店」さんの2号店で、厳選された日本酒と、酒のアテがおいしい。

今回飲んだ日本酒は、全体的に夏酒が多かった。どれもおいしかったので、家飲みやお店で選ぶ時の参考にどうぞ。

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1杯目は、友達のひとりが「最初はスパークリング的な日本酒がいい」と、「雁木」の発泡にごり酒を注文。私ともう一人は「ゆきの美人」を分け合った。

「雁木」は開栓したところだったので、シュワシュワ! にごりだから、後でガスを入れているんじゃなくて、瓶内二次発酵だろうなぁと話す。丁寧に開けないと吹きこぼれるタイプで、グラスに注いだ後もかなり発泡感が続いていた。確かに、夏の1杯目にふさわしい。

「ゆきの美人」も相変わらずの安定感。シュワシュワ感こそないものの、口当たりが軽快で、穏やかな甘みと酸のバランスが良いお酒。こちらも1杯目にはいいと思う。

お料理は、夏野菜たっぷりのシーザーサラダ鴨ロースの炙りカルパッチョを注文してみた。どちらもさっぱりした酸味がお酒とよく合う。

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次は「ひと夏の恋 純米吟醸」。「あたごのまつ」や「伯楽星」で知られる新澤醸造店が毎年夏限定で出すお酒だ。私はこのお酒が好きで、見かけると100%注文してしまう。今はいろんなデザインのラベルのお酒があるが、昔は筆文字縦書きのごっついイメージのラベルばかりだった中、早くからこんなおしゃれラベルのお酒を出されていたのも素晴らしい。

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ネーミングもいいじゃないか、ひと夏の恋! そして、お味はというと、まさに「ひと夏の恋」なんだ。メロン系の香りに、優しい甘み。激しくはないけれど、ふと思い出すと心にぽっと灯りがともったように温かくなり、目を細めてしまうような、そんな優しい恋の味。だから、余韻はとても爽やか。

鱧の南蛮漬けと一緒に。夏らしいブルーのガラスの器に、鱧の白が映える。京都の夏は、やっぱり鱧がないと始まらない。

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ひらまさのお造りも。

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次は、「七口万」。福島の花泉酒造さんが造る「ロ万」の夏酒だ。普通、日本酒は「三段仕込み」といって、簡単に言えば3回に分けて蒸し米、水、麹を投入していくのだが、この蔵の特徴は「もち米四段仕込み」。4回目にもち米を投入するという変わった仕込み方をしている。だから、どうしても甘味が味の中心になるが、まったく嫌な甘さではなく、特にこの夏酒は爽やかな酸の印象も強くなる。

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5年くらい前に取材させてもらったことがあって、蔵人さんたちのチームワークがとても良く、独自の酒造りに誇りを持っていて素晴らしいなぁと思って心を込めて書いたのだが、残念ながら私の書いた原稿はあまり気に入ってもらえなかった(と思わせられる一件があった)。だから、今でも「ロ万」を見かけると、胸が痛い。痛いけど、お酒は好きだからいつも飲んでしまう。飲みながら思い出して、またせつなくなってしまう。(満足してもらえる記事を書けなかった自分の不甲斐なさに涙が出てくる)

こういうお酒にはこれがいい。干し柿とくるみのクリームチーズパテ。それからしめ鯖も。甘みと酸味がちょうどいい。

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もうこの辺りから、ちょっとお酒の細かい味の判別ができなくなってきた。とりあえず、おいしい(笑)。「たかちよ 純米大吟醸」夏限定の生原酒。新潟のお酒らしくないところが好き。(麒麟山や八海山みたいに、ザ・新潟酒!みたいなのも、それはそれで好きなんだけど)

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料理もまだ注文する。小芋のから揚げと、湯葉ピザ。湯葉をピザにするあたりが京都っぽくていい。ここにきてのチーズがすごく酒に合い、パクパク食べてしまった。

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いよいよラストオーダーと言われ、最後は京都のお酒で締める。「澤屋まつもと 守破離」だ。こちら、松本酒造さんのお酒は、この5~6年でぐぐーっと劇的に美味しくなったと感じる。「原料に勝る技術なし」を蔵の信条として掲げていて、原料(酒米)の産地とのつながりを大切にし、酒米の特性を引き出したお酒を造る。開栓したてはややガス感があって、米の旨味はしっかり。そこに上品な酸味が広がるのが心地よい。

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フードのラストはどうしても食べたかった、これ。くるみの甘煮とマスカルポーネだ。くるみの甘煮とマスカルポーネの組み合わせが絶妙。家で再現してみようと思う。いいお酒のアテだ。

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15時から飲み始め、19時のラストオーダーまでいた。すべてが美味しくて、友達とのおしゃべりも久しぶりで、本当に楽しい時間を過ごせた。いつ来ても満足度の高いお店だ。

★サケホール益やさんについて
町家を改装しているので、入口はいわゆる「鰻の寝床」で、間口が小さく奥に長い。ドアを開けるまでの通路でもうわくわくしてしまう。中はカウンター、テーブル、それに立ち飲みスペースもあり、壁には日本酒のボトルがたくさん飾ってある。大きな窓からちょっとした中庭を眺められるのも風情がある。何より日本酒愛が深い!

京都に来られたら、日本酒好きの方はぜひ足を運んでみてください。

あー、こんな記事書いていたら、朝なのに飲みたくなってきた!(笑)

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