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振り返らないと見えないもの

平和と防災の共通点

平和と防災には共通点があります。厳密には、それらの概念に共通しているもの、と言えるものです。

それは、平和である状態や、防災と成り得ている状態というものが一切可視化できないという点です。それらは、戦争を振り返った時や災害を振り返ったときに初めて姿が見え、実感するものです。

したがって、今現在が平和である、災害対策が万全であるということは個人の評価や感想に過ぎません。逆に、それを維持するアプローチや手法といった方法論で世の中の意見がぶつかり合っているのはSNSなどでよく目します。皮肉にもそれが平和と言えるのかも知れません。

また、前述の平和と防災の違いについては、戦争より災害のほうが頻繁に起こるという点が挙げられます。個人的に、防災の公助で補える点は既に飽和状態だと考えていますが、何度も起こる大災害と、それらに関する情報ソースの多さにより、個人の防災マインドはかなりアップデートされているのではないでしょうか。

沖縄で津波警報発令

先月、沖縄でも台湾沖地震による津波警報が発令されました。その時、私は葬祭場にいたのですが、携帯キャリアからの警報を受けてビルの最上階へ避難しました。多くの喪服姿の人々とともに警報解除を待ちながら、津波警報で多くの人が避難することに「時代も変わったな」と感じました。

この携帯キャリアが発信するエリアメールや緊急速報メールは、Lアラートのコモンズネットワークを介して利用者に伝達されています。またそれ以外の情報伝達は防災行政無線から発信されます。すなわち携帯電話を持っておらず、防災スピーカーの音声が聴こえない人々やエリアへは、避難指示や警報自体が届かないというのが現状です。

当社では、Lアラートの情報を固定電話・携帯電話への架電と音声で登録者に発信できるシステムを開発していますが、公助がすべきラストワンマイルとして、情報弱者への防災強化を県内外の地域へ提案する予定です。

災害対策は平和な時にしか手が打てないことを、各防災担当課に強く訴えたいと思います。