いじめを乗り越えた話①
トラウマ
もし兄が死んでもワタシは絶対泣かない。
ワタシは兄にいじめられていた。ワタシは兄と弟の男兄弟の間で育った。母は忙しそうでいつも疲れていて、弟をとても可愛がった。兄はいつの頃からか荒れていて、イライラの波に呑まれてワタシや弟もとばっちりをよくくらった。
小学生低学年のある日、家に帰ってお菓子を食べた。後から帰宅した兄も食べたかったらしく、空になった袋を見てキレていた。理不尽な態度にワタシもイライラしてこう呟いた。『お前のんちゃうやろーが。』そう、男兄弟にはさまれ育ったワタシは口が悪かった。兄のパンチがワタシの腹にきまった。当然ワタシは激しく泣いてやった。(あえて隣の幼なじみの家にもよく聞こえる部屋の窓のそばで。)
母は当時パートにでていて、しばらくして帰宅した。ワタシはとっくに飽きて普通に過ごしていた。母はワタシに『泣いとったん?なんで?』と尋ねてきた。お隣さんが母に言ったようだった。理由をワタシが話すと母はすぐに兄のところへ行ってしまった。
再びワタシはひとりになった。
それから兄は大人になり家を出てワタシも家を出た。兄との確執が残ったままワタシは母になった。0〜3才の子育ては割と人並みに過酷で、ノイローゼのようになりながら、もがきながら日々生きていた。するとなぜか、兄にされて嫌だった事を頻繁に思い出すようになった。
子どもと接するウチに子どもの頃のことを思い出すのは、よくあることなのかもしれない。あのときの感情が湧き上がって、悲しみを、悔しさを、苦しみを追体験する。
あんなやつ、あんなやつ、あんなやつ!
子を寝かしつけながら悔しくて泣いた。なぜ今になってあの時の事を思い出すのが不思議だった。他にも色々とやらかした兄の事を、ワタシは心底嫌いだった。
ある時、何度もこの記憶に振り回されているうち、ふと『許せない』と思った。
許せない?
その言葉がひっかかったワタシはすぐに検索した。
そこにはこう書いてあった。
許そう!損をしよう!
許そう・・・・・・・・?全く意味がわからない。
許せないと思ってるのに許すってどうやるの…?
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長くなったので2回に分けます!
つい読んじゃった人はスキを押します!
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