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『食べる!ハーバルメディスン』で不調から快調に!ハーバル薬膳のススメ (前編)

ハーバルメディスンを日々の食事に取り入れてみよう

薬効成分を多く含む植物(薬草)を使って健康をサポートする自然療法を、ハーバルメディスン(薬草療法)といいます。一般的に水から煎じたりして濃いお茶のように飲むことが多いものなのですが、今回は食べてみようというご提案です。
ひらたくいえば、「ハーバル薬膳」といったところでしょうか。

日々の暮らしで、薬草の力を「食べる」形で日常に取り入れることは、消化器から成分が緩やかに吸収され、体に優しく作用するため、体調管理に理想的なんです。
特にこれから寒くなる季節には、免疫力を整え、体調維持を意識する人が増えると思います。

料理の一部としてハーブの薬効を得ること、どこの世界でも昔からされてきた食の知恵を活用して、今後の体調管理に取り入れたら、強力なツールになると思います。

今回も長くなってしまいそうなので、前編と後編に分け、各回読みやすい量でお届けします。最後までお楽しみいただけたら嬉しいです。

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食べられる部位は葉っぱだけじゃない!地上部、根、種、実、きのこなど

ハーブとひと口に言っても、その食べられる部位は多岐にわたります。
葉だけではなく、根や茎、種、花、そして実やきのこまで、さまざまな部位に薬効成分が含まれているのです。

  • :バジル、ミント、ローズマリーなど。香りが良く、抗酸化成分が豊富であるため、サラダや料理の仕上げに使いやすいです。

  • :ゴボウ、ダンデライオン、ジンジャーなどは消化をサポートし、デトックス効果も期待できます。

  • :フェンネルシード、コリアンダーシード、ブラックペッパーなどは、消化を促し、抗炎症作用も含まれます。

  • :カレンデュラ、エルダーフラワーなどは、免疫サポートや抗酸化作用が期待でき、食用としても使いやすいです。

  • きのこ類:レイシ、舞茸、シイタケなど。免疫機能をサポートし、抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれています。

「ます」

効果を実感できる量を考える

「食べるハーバルメディスン」は、日常的な健康維持を目的とするホールフードダイエットとはちょっとした違いがあり、治療的な量(セラピュティックドース)でのハーブ摂取に注力します。セラピュティックドース(Therapeutic Dose)とは、ハーブやその成分が特定の症状や体調に効果的に働きかけるために必要とされる「有効量」を指します。

実際にはデータベースがあるものなんですが、家庭で応用するなら、ひとつのレシピにつきハーブ多めで、複数の料理に使うとハーブのかけあわせもできていいかと思います。
季節の変わり目や体調に応じたサポートを無理なく取り入れるために、自分にはこのくらいでいい、という適量を身体で覚えるのがポイントです。

なぜ「食べる」ことが良いのか?

薬草の成分を食事に取り入れると、消化器を通じて体に吸収され、ゆっくりと作用します。
このため、サプリメントやハーブティーのように速く摂取するよりも通過経路が複雑で穏やか、栄養も一緒に摂れるメリットがあります。
風邪予防や消化促進などの作用を活かし、少しずつ症状に合ったハーブを取り入れながら体調を整えることが可能です。

「目的」や「使用量・濃度」によって、キュリナリー(料理)用途とメディシナル(薬効)用途が区別されると考えられますが、日常生活の中で両方の目的を兼ねるハーブやスパイスも少なくないので『調子を整えたい!』という時はハーブ多めにする、ぐらいでいいと思います。

アーユルヴェーダで使われてきた鉄板コンビネーションです

相乗効果を高めるポイント

食べるハーバルメディスンでは、ハーブやスパイスの薬効を効率よく体内に届けるために、適切な量と食べ方が重要です。
たとえば、ターメリックはブラックペッパーと合わせることで薬効成分の抽出率が上がり、さらにオイルで炒め、脂肪分と合わせることでその薬効成分が体に吸収されやすくなります。
また、フェンネルやミントなどはサラダに加えることで消化を助け、胃腸の調子を整えやすくなります。

症状に合わせたハーブの役割

ハーバルメディスンでは、免疫や消化をサポートする目的で選ばれるハーブが異なります。
例えば、抗酸化作用のあるターメリックや身体を温めるジンジャー、消化促進効果が期待されるフェンネルなど、ハーブの種類ごとに異なる作用が期待されるため、目的に応じたハーブを食べやすい形で取り入れることが重要です。
ハーブの種類はたくさんあるので、その作用から本やネットで調べるといいと思います。この記事では、免疫強化に役立つ素晴らしいハーブを4つほど紹介していますので、ぜひ使ってみてください。

他文化薬膳との比較

個人的見解ではありますが、ハーバルメディスン、アーユルヴェーダ、中医学(TCM)の薬膳は「食べることで健康を促進する」点で共通するものの、アプローチにちょっとした違いがあるように思います。
ハーバルメディスンは科学的視点で成分の効果を重視し、柔軟にハーブや調理法を選べるのが特徴。
アーユルヴェーダやTCMは身体に穏やかに作用する加熱調理を推奨し、体質改善を目的に長期的視点を持っています。
また、TCMやアーユルヴェーダは季節や個人のバランスを重視しますが、ハーバルメディスンは季節も含めた個人の状態からハーブの使い方を考え即効性と柔軟性に重きを置く、といった特徴があるかと思います。

ハーバル薬膳にスーパーフードをたっぷり足して、個人の状態に合うようにカスタマイズするとナチュローパシー薬膳ですね〜!ハーバル薬膳はプラントベースオンリーのウィーガン使用にもしやすいんですよね。

本当はもっと紹介したいけれどね。
来年のナチュロパシー講座を受けられる方、
たくさん紹介するのでどうぞ楽しみにしていてください!

冬に向けた免疫サポート:食べるハーバルメディスンの活用

冬の季節には、寒さや乾燥はフィジカルなストレスとなるので免疫力の維持が課題となります。以下に免疫サポートに適した日本で手に入りやすい代表的なハーブを4つだけご紹介します。

1. エルダーベリー(Elderberry)

エルダーベリーはヨーロッパで伝統的に利用されてきたハーブで、季節性のケアとして知られています。抗酸化成分が豊富で、免疫の健康を保つサポートが期待されるため、秋冬のケアとして摂取しやすいハーブです。ソースやジャムがポピュラーですが、たくさん摘めるならベイキングの材料にしても美味しいですよ。

2. ターメリック(Turmeric)

ターメリックには、健康維持を助ける抗酸化成分「クルクミン」が含まれています。特にカレーなどでおなじみのスパイスですが、オイルや脂肪分と合わせて調理することで、体への吸収が高まります。秋冬に積極的に取り入れることで、元気を保つサポートが期待できます。先にちょっと触れましたが、ブラックペッパーとの相性が抜群ですが、体調によってはブラックペッパーが使えない人もいますので、そんな場合はオイルでじっくり炒めましょう。

3. ジンジャー(Ginger)

ジンジャーは、胃腸の調整と体を温める働きがあるため、寒い季節に特に適しています。食事に少し加えるだけで体が温まり、心地よさを感じるため、日々の料理に簡単に取り入れられる万能ハーブです。
血行促進も素晴らしいし、炎症を起こす酵素を阻害するため抗炎症作用も期待でき、ガーリック同様世界で最も薬理効果を研究されているハーブのひとつ。

4. タイム(Thyme)

タイムは抗菌作用も備えたハーブで、料理に香りと風味を加えることができます。日常の食事に少しずつ加えることで、体調管理や消化サポートが期待されます。サラダやスープの風味付けに最適です。ブーケガルニの材料としてもパセリ、ローリエ、エストラゴンとともに使われることが多いです。セージやオレガノと合わせると、抗炎症&免疫強化トリオとなるので、肉の臭みも兼ねてローストチキンのお腹にガーリックと共に詰めるのがおすすめ!

身体に合うかどうかが大事!

このほかにもエキナセアや甘草など、強力で素晴らしいハーブがいろいろあるので、アレルギーのあるなしも含め自分の体に合うかどうかを最優先に選択するのがベスト。免疫には舞茸や椎茸などのキノコ類も強力なので、ハーブと併せて活用してみて。また最大量を使用することなく改善する場合は多いので、ご自身の適量をよく観察しながら食べるといいですね。

ハーブって苦味が強いものが多いけれど、そもそもフレッシュで食べられている歴史のある地中海沿岸のハーブなどは食べやすく、取っ掛かりとして入りやすいと思います。
まや、日本でも春先に苦味のある野草を食しますが、苦味そのものが薬効なので、苦味を活かすことも大切なんですよ。

次回予告:免疫強化のための「食べる」工夫と食べ方のアイデア

ここまでで、ハーバルメディスンを食べること、ハーバル薬膳のメリットや冬に向けた免疫ケアに適したハーブについて解説しました。後編では、免疫を支えるための具体的な食べ方や、ハーブの成分を引き出すための工夫について深掘りしていきます。

例えば、ハーブをオリーブオイルに漬け込むことで毎日の食事に手軽に加えられる「漬け込みオイル」や、発酵食品と組み合わせて腸内環境を整え、体内から免疫力を支える方法などをご紹介する予定です。ハーバルメディスンの成分を効率よく取り入れ、季節の変化に負けない体づくりを目指してみましょう。

後半もぜひお楽しみに!

このnoteでは、どなたにも日々役立てていただける食と健康に関する情報を提供していますが、医療専門家のアドバイスに代わるものではないことをご確認ください。効果や結果は個人差があるため、特定の健康問題については医師や専門家にご相談ください。情報は最新を心がけていますが、変更される場合もありますので、自己責任でご利用ください。
また、私のブログ記事を参考にしていただく際は、ぜひ出典を明記していただき、内容はそのまま正確にご使用ください。転載や複製をご希望の場合はご一報ください。どうぞよろしくお願いします。

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