“人間社会は汚いのか?”
モーパッサン「女の一生」実写映画が公開するそうなので投稿します。
「女の一生」著モーパッサン
実はコツコツ読み進めている作品のひとつで、読破していない本なので感想を書くべきなのかなと思ったけど、タイムリーだったから途中までで書くことにした。
あらすじ
修道院から帰って来た主人公ジャンヌの結婚から晩年まで彼女の一生を書いた作品。不純な旦那と出会ってから、彼女の理想の世界はどんどんと崩れていく。
すごい直接的な題名の「女の一生」。どんな女性が主人公なのかと思いきや、とても可愛らしい純粋無垢な女の子、というか頭がお花畑の女の子だ。彼女には空想の才能があり、理想のシナリオを作っているが、それがことごとく外れるのだ。
さらに、他の登場人物たちもかなり私利私欲にまみれていて…。正直、全員にイライラ。お金、社会、欲望、自分のことしか考えていない登場人物たち。
こんなに苛立ちを覚える理由は、きっと自分も人間社会で似たような経験をしているからなんだろうなって。例えば、好きな人、大切な人に裏切られた。本当は悪い人だったんだ。信じてた自分が馬鹿だったんだ。私ってバカだな。心が傷つく。こういう経験って人生で誰でも一度は体験するんだよね。
でも、それって、他人に対して「こうしてくれるだろう」という思い込みのせいで、勝手に理想を作って、その通りに他人が動かないと裏切られたって自分が被害者面しているだけなんだよね。他人が自分の思い通りに動くわけではないのに。
つまりモーパッサンは、欲望の部分にフォーカスをして人間社会の汚さを記しているが、実はそう見えるのは誰のせいでもなく、自分勝手な妄想が原因ということを伝えたいのだと、私は解釈した。
よくある言葉で、
他人を変えることはできないけれど、自分を変えることはできる。
とあるけれど、本当にこの言葉通りだと思う。他人に何かを過度に期待して生きるのではなく、自分の道は自分で切り開くのだ。
そして、この話のように人生の悪い点にばかり執着するのではなく、小さな幸せを大切にして生きるのがきっと良いのだろうな。(突然説教みたいになっちゃった。)
それにしても、この本は悪い人大集合!って感じがするなぁ。笑
※ちなみに、私は「漫画で読破」で途中まで読んで気になって読み始めたよ!フランス文学なので、いきなり読むのが難しい人はそちらを読んでから入るのも良し!