ハルキムラカミさん
村上春樹さんの本を読んでいると、世界観にどっぷりと浸かりすぎて、自分が何者か、どこにいるのかがわからなくなる。
「村上春樹全作品 1990~2000 第3巻 短編集II」
「レキシントンの幽霊」や「神の子どもたちはみな踊る」などを収録。
村上さん第2期の第3巻らしい。
ここで読んだ全小説に共通して言えるのが、不思議。
まず設定が普通でない。怪物や動物、目に見えないものたちが出てくる。(結構気持ち悪い)
しかし登場人物たちはいたって真面目に問題を解決しようとする。(当たり前か)
さらに設定を説明しないままエンディングへ。(そこがまた恐怖)
こんな偉そうに評論していますが、実際この世界観に飲み込まれてしまったのは私のほうだった。
本を読んでいる途中に、うっかり昼寝をしたら・・・起きた時寝汗がぐっしょり。自分が今どこで何をしているのかすぐに理解できなかった。悪夢を見たのだけれど、その内容が全く思い出せなくて、しかも頭と身体がだるくて重い。
村上春樹さんの短編集は、教訓というより、その世界観に引き込まれるというか、文章を味わうというか、本から目が離せない。
あの書き方に酔うような不思議な感覚。
正直、後味はスッキリとはしません(笑
でも異世界へ迷い込みたいときにオススメです。