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たぬきの日記
2019年9月15日 23:13
駅から10分も歩けば河川敷に至る。片側にしかない歩道。土手に上る階段はずいぶんと先にあって、電車のための鉄橋だけがスムーズに三本掛かっている。対岸には東京拘置所が見えていて、坂口安吾が随筆の中で描いた景色と同じ。人の歩ける土手を挟んで、少年野球をやっていない側、つまり街のある側の景色が良い。現代的でもない。近代的でもない。かといって古風なわけでもなく、人の生活がありながら活気があるわけでも
2019年9月12日 00:18
地下鉄の駅を出ると熱波が押し寄せてくる。紛れもなく猛暑で工事中の都電のパネルが必要以上に照り返していた。踏切の先にあるラーメン屋は冷やし中華を売り出しているようだったが開店前で、麻製の暖簾は涼しげではなかった。ピンク色の都電が踏切を横切るとわずかばかりの風が空間をかき回した。鬼子母神前駅とメトロ雑司ヶ谷駅が隣り合っていて、都電の雑司ヶ谷駅は少し北に歩いたところにある。この矛盾した駅配置は好きだ。