春愁|詩
悲しみとは
虚脱した怒りなのか
泣き濡れた愛なのか
ゲッセマネの園の片隅に
あの日 咲いていた
小さな白い花を
彼は見つけただろうか
その花はたしかに
高貴なるまなざしが注がれるのを待っていた
けれどそれは
慰めを与えるためなのか
憐れみを乞うためなのか
花自身にもわからない
春は今年もまた気だるい疑惑のように
おぼろに月を霞ませる
まだ訪れてもいない春の物憂さよ
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