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「神よ憐れみたまえ」by 小池真理子


#読書感想文

500ページ以上にわたる長いお話ですが、飽きさせることなく最後まで読み切ることができました。
さすがベテラン女流作家の作品です。
 
女性なら誰しも、美しい女性はそれだけで普通の人より3割り増しぐらい幸せな人生を送ることができる…と思ったことがあるはずです。
私も今までの人生で、私が美人だったらもっと得をしたのに…と思う場面が多々ありました。
でも、このお話には「美しくて魅力的であること」の不幸が生々しく描かれています。
だからタイトルが「神よ憐れみたまえ」なのだな…と納得しました。
 
世の中の不平等や不条理に腹を立てたり失望することが時々ありますが、本当は世の中は平等にできているのかもしれません。
あこがれの人、完ぺきに恵まれているように見える人の闇の部分を私は見えていないのかもしれません。
この小説の主人公の人生は、ドラマティックで華々しく見えます。
しかし、小説の中ではこれでもか…というぐらいダークサイドから描いています。
「幸せを感じられる能力」を持つことができれば、彼女の人生は違っていたかもしれません。

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