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インバスケット演習サンプルその24:輸送中の製品が事故に遭った
今回のサンプルは「海外に出荷予定だった製品が事故に遭い、出荷出来なくなった」というシチュエーションです。
問題内容
あなたはとある産業用ロボットメーカー 大阪営業所長の尾関さんです。長期出張から帰った翌朝にPCを開くと、部下の営業所員:今西さんからアメリカ向けに出荷予定だったロボットについて以下のような報告が入っていました。
尾関さん
今週末に船便でアメリカへ輸出予定だったKM600×2台ですが、昨晩(3/1)の台風で港に置かれていたうちのコンテナが水に浸かってしまったそうです。私も今から港に向かいますが、周囲のコンテナは中まで水浸しらしく、このまま出荷する事は難しそうです。
このロボットは船便で3週間かけてアメリカへ輸送し、3月末迄にTM社のミシガン工場へ納入する予定でした。これからどうしましょうか。。
今西さんも突然の事態に困惑していますね。彼はこれから港へ行くつもりのようですが、この後どんな指示をしてあげれば良いでしょうか?
次のアクション例
製品がどのような状態か、詳細情報を把握する
まずは製品がどんな状態になっているかをきちんと把握しないと、方針が決められません。現地確認には代理の人間を送るor今西さんを現地派遣&サポートできる人間を営業所に残し、現地確認の結果を即時社内共有できる状況を作りましょう。この案件の契約条件を確認する
正確な納期はいつか、この製品の所有権は今誰にある状態か、今回のような輸送中の予期せぬ事故をどう取り扱うか等、この案件の契約条件を至急確認するように指示しましょう。社内関係部門へ情報展開
詳細報告は現地確認を待つ必要がありますが「出荷予定だった製品コンテナが浸水した」レベルの速報は社内関係部門へ配信しましょう。
例えば輸出手続きの担当部門はもちろん連絡が必要ですし、代替え機を用意してもらうなら製造部門や生産管理部門、再検査後に再出荷するなら検査部門など、後の段取りを踏まえて具体的な相手をイメージする事が重要です。今後の方向性を検討
1 ~3のアクションを踏まえ、今後の方向性を予測する事も重要です。
製品品質に影響がない場合、どう納期に間に合わせるかがポイントとなる為、例えばより早い輸送方法(別の船便、飛行機便等/恐らく輸送費アップ)への切り替えが挙げられますね。
製品品質に影響がある場合、工場に製品を戻して再検査+輸送方法変更、あるいは同機種を新たに用意+納期に間に合う輸送方法選択(加えてこの2台はどうするか)といった手段を早急に検討する必要があります。
尚、お客様への連絡は上記1〜4を早急に行った上で、どうしても元々の契約条件が満たせない(或いはその可能性が高い)と判明してからが良いと思います。ご迷惑にならないように早く報告したくなりますが、不確かな情報を伝えても「じゃあ貴方達はどうするつもりなの?」と聞かれ、こちらの立場が尚更悪化するだけです。
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