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デザイナーへの原点、そして手書きでショップカードを1000枚以上書いて学んだこと
いやー、デザイナーになるとは思っていませんでした。あの頃は。
あのとき書いたものを残しておけばよかった。
年が明けると同時に始まった、個人事業主2年目。改めてデザイナーへの原点を見つめ、何を学んだのか、どのように今に繋がっているか思い出してみました。
タイトルにもあるように、原点はバイト先のカフェで空いた時間にショップカードを手書きで1000枚以上書いたことだったと思います。
バイトしてた3年間、めっちゃ書いたよなぁ。
最初は全然上手くなかったし、書き損じばかり。でもだんだん上手く書けるようになってたけど、あのとき何枚書いてたっけ?
まぁランチタイムの空き時間で手書きだし、少なく見積もって1ヶ月に30枚くらい。これを3年でしょ。
ふむふむ。
30枚 × 12ヶ月 × 3 = 1080枚
今日初めて計算して驚きました。電卓壊れてない?いやでも、冷静に考えたらそれくらい書いているな。
ということで、原点をたどって学んだことを書いてみようと思います。
空き時間になるとすぐに地元新聞を読み始める
まずバイト先のカフェはバイト先としてとても最高でした。地元新聞が読めるから!!!!わーい!!!個人経営のお店でマニュアルも全然なくて、仕事のやり方をある程度自分で考えられるし、お店の方もみんな優しくて一生ここで働きたいと思うくらいでした。
お客さんがいないちょっとした時間になると、ちょこっと新聞を読んでいました(仕事しなさい……)。
そんな私をみた店長さんが「ショップカード書くわよ〜〜!!さきちゃん字が上手やき、書いてほしい。」と、100均一で買ってきてくれたカードとマーカーを渡しました。ヒョエー、新聞タイムがぁ。
字を書くのは嫌いではないので、「はい〜」と新聞を閉じて空いた席へ座るものの、「で、何書いたらいいんだろう」と悩んだのが懐かしいです。
ショップカードのお手本がない
そう、お手本がなくて何をどこに書いたらいいかいまいちピンとこない。この小さい紙に何を書こうかしら。
とりあえず住所?
予約は電話でしかできないから、番号書いとくか。
定休日も書かんとな、せっかく来てくれて定休日とか悲しすぎる。
お店のマークかぁ、入り口に貼ってあるし、あれ写すか。どこの店のカードかわからないのはよくなさそう。
みたいなことを考えていました。まずこれで書いてみよう。一旦ペンを持て、それを紙に走らせるんだ。今なら失敗できる。
逆によいお手本を探すために、他のカフェに行ったときにいいなと思ったカードをもらっていました。ショップカードの文字小さっ!とか思ってましたね。こんな小さく書かないといけないのか〜って。
手書きショップカードで学んだこと
①書き損じからデザイン四原則やフォントサイズ感を体で覚えた
当時の私はデザイン四原則なんて知らなかったのですが、体で学んだ気がします。以下、当時の私の頭の中です。
🧐 いやー、住所と電話番号の頭がそろっていないの気持ち悪いなぁ。下手くそに見えるなぁ。頭をそろえてみよう。で、全体を左に寄せる?
なんかビジネスっぽいなぁ。中央揃えはどうかな。ん〜住所が長いから中央揃えは向かないかもしれない……。やっぱり左から読むのがいいな。左揃え。
🧐 あぁ、電話番号と住所と定休日は3つでワンセットにしないと、情報が頭に入らない。近づけとこ。
91*55mmのカードに文字を書くと、最初は文字が入りきらないことがとても多かったです。漢字はよく潰れて読めないし、だからといって大きく書いたら入らない。書き損じの原因ランキング1位でした。書いていくうちに、「この文字の大きさだったら必要ば情報が入りきるし、お客さんも読めそう」という感覚を身につけることができました。ペンの太さもこだわっていました。
この感覚は今でも名刺やチラシのお仕事をするときにとても役立っていますし、磨き続けたいです。
②自分の接客を改善できた
お会計を終えるときにこのショップカードを渡していました。最初の頃は「もしよかったらどうぞ…」くらいしか言えなかったのを覚えています。
しかしそれでは作った意味がないかもしれないと思い、まずは混雑した日に空きを待ってくれたお客さんに「本当に今日はお待たせしてしまい申し訳ございません。もしよかったら次回お電話いただければ席を用意して待っています!」といった感じで一言添えることができました。
その後、予約の電話が増えて電話を取ることも多くなりました。カレンダーとにらめっこ。特にカードを見たお客さんからの電話は嬉しかったです。あのときの〜〜!!お電話ありがとうございます!!とニコニコな私。バイトがとにかく楽しい。
③ニーズをショップカードに反映する
これは本当に学びとして今でも最高だと思うことです。
ショップカードを何枚も書いて渡すうちに、だんだん「これは書いたほうがいいかも」という感覚が芽生えてきました。先ほどの渡すときの会話や注文を通じて、ニーズを自分なりに掴んで整理した結果でした。
例えば、
・ダブルランチを注文したら、小さいお子様ランチが付いてくること(親子にはとても需要がありました)
・夜のディナーは予約限定でやってること(お友達同士、カップル同士で楽しみたい人へ)
・クリスマスディナーなど季節限定の予約コース(同じく家族、お友達同士、カップル同士で楽しみたい人へ)
それだったら3パターン作ろうじゃないか、ということでお客さんの人数とカードの枚数のバランスを見ながら3パターン、空いた時間でカードをひたすら書いていました。(たまには新聞を読んで手を休ませる)
お客さんの層として、ちょっと声がするような隠れ家でゆっくりしたい方が多かったので、適度な文字数でこのようなことを盛り込みました。おかげでクリスマス1週間前からディナーのバイトにもたくさん入って、一緒に静かな時間を過ごせました。
「えー、電話予約できるんだ!2人で来るときはいいけど、家族で来るときは電話したほうがいいねー」といった詳細な反応も。確かに、今度は家族で来たいなぁというお客さんにはそういう声かけもいいかもしれません。
カードを書いて渡して、考えて改善することがただただ楽しかった
ここまで書いてきて、これに尽きるなと思いました。元々字を書くことに抵抗はありませんでした。ただそれだけだと今デザイナーにはなっていないと思います。
・書いて形にするのが楽しかった。
・実際に声をかけて渡して接客が上手になる過程が楽しかった。
・書き損じの下手くそさに笑う(どんだけ字でかいんやって)
・お客さんとお話するなかで、もっとこうしたらよさそう、が芽生えた。
・また形にしてみる……の繰り返し
もちろん楽しかっただけでは今ここにいないのも事実ですが、考えることが好きな私にとって、頭だけでなく手も動かせたのがよかったかなと思います。
本当に店長さんには感謝です。お店に来てくれたお客さんにも大大大感謝です。
今大事にしていることのつながり
今大事にしているのは作って終わりにしないこと。実際に使ってみた感想を伺って次にできそうなことを一緒に考える、そんなことを大事にしています。一発で決めたい気持ちもありつつ、そのときできることを全て出し切って、次に向かって走りたいとよく思います。
これも最近考えついたものではなくて、気づいたらこうありたいなと漠然と私の中にスーッと広がっていたものでした。この考えはどこからきたのか思い出すと、間違いなくショップカード1000枚経験でした。あの頃はPDCAとか何も意識していなかったのですが、今思うとめちゃくちゃ回しているし、若い頃に程度は小さくても回せてよかったと思います。
いやー、デザイナーになるとは思っていませんでした。あの頃は。
これからはよき仕事人となるよう精進したいと思います。
まずは自分の名刺を作ろう。