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男になること

男になる、とはどういうことか。

生物学的に男に生まれた人が、大きな勝負に勝ったり、女を抱いたりすることで「男になる」と表現される。仕事で大きな責任を果たしたり、逆境に挫けず筋を通したりすると「男を上げる」。すなわち「男らしさ」が出てくる。精悍な顔つき、堂々とした振る舞い、落ち着きと余裕、内面から滲み出る自信、などが出てくるのだと思う。

これはテストステロンがもたらす認知と行動の変容である。男性ホルモンのひとつであるテストステロンは「勝利のホルモン」として知られる。人間が、勝利を認識すると分泌が亢進される(いっぱい出る)。喧嘩、球技、走る速さなどで勝ったりするのは勿論、株取引で儲けたり、応援している野球のチームが勝ったりするのを見るだけでも分泌が高まるらしい。つまり、生物として、社会の一員として、勝ったと思えればなんでもいいのである。

テストステロンが足りない人は負け犬の顔をしている。自信がなく、怯えていて、周囲の顔色を見て態度が変わり、声に張りがなくなる。目には屈辱と絶望が滲む。もちろん、女にはモテない。

テストステロンが豊富な人は勝者の顔をしている。自信が溢れ、勇敢で、周囲を従え、声には自信がある。目つきは勝利を予感させる。女は寄ってくる。

そのあたり、社会的な認知によるテストステロンの分泌の増減、その心身への影響についての知識をつけて、世の中の見方が変わった。男が幸福に過ごすコツは、テストステロン分泌を促進させるように心がけて生きていくことにある、と考えるようになった。加齢によりテストステロン分泌量が減るとうつ病になる、という説もある。

自分より下を見つけてマウンティングに邁進する生き方は美しく無い(周囲に愛されづらくなる)ので、それ以外の方法が好ましいと考える。肉を食べ、運動し、勉強し、人より優れたストロングポイントを強化する。

己の中で、小さな勝利を重ねて生きていくのが重要だと個人的には考えている。最近の私の場合は、語学学習、ラン、懸垂、日々の丁寧なカルテ記載などがこれに該当する。己を律するのがうまくいっている時期は自信が溢れイケメン化するが、妥協しだすと負け犬のオーラが出てくる、気がする。

なお、女性も男性より分泌量は少ないがテストステロンは存在し、精神と肉体はその影響下にある。ジェンダーやLGBTに配慮的なことを言い出すと複雑になるので、ここでの議論は避ける。伝統的で、因習的な、「男らしさ」という社会通念に関する個人的な考察である。なんだかんだ言って男は男らしい方がメンタルにいいし、女性にもモテるので、その根源的な理由が分からず、ツボを外して損をしている人は多い、気がする。負け犬で居続けるのは心身に悪い。

写真はテストステロンを高めそうなタンドリーチキン。最近食べたもの。

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